「その…。俺たちのバンド。その、リーダーの女性…。担当はキーボード。その人、事故に遭っちゃって……。」
航。
「事故…???」
可羊子。
「うん。…で、その事故のせいで、リーダー、左腕、怪我しちゃったらしくって…。しかも…、その上、麻痺しちゃってて、動かないらしいんだ。バンドの先輩たちも、誰かキーボード弾ける人…、探して…るんだけど…。中々、見つかんなくって。」
「…で、カヨッチのお姉さん。」
鈴鹿。
「でも…、海野君、カヨッチのお姉さんのピアノ…聴いた事が…ない…っと~。…こういう訳。」
可羊子。
可羊子の話しを聞きながら可南子、
「はぁ…。な~んで、そう言う話になるかな~~。」
口を尖らせて姉の顔を見る可羊子。
「何、口、尖らせてんのよ、この子は~。」
…と、可羊子のオデコを左人差し指でツンと。
可羊子、
「だって…。」
そして、唇をグィっと口の中に入れたように…。
首を何度も縦に振り。
「でもさ、お姉ぇ…。」
テーブルの上に右腕をダラリとさせて、その上に顔の可南子、
「あ~~。…なんで…。…ん~~~???」
可羊子、
「この話。海野君からなんだけど…。」
可南子、
「ふん…???」
「でもさ。サッチンも、鈴鹿もレミも…知ってる…。」
そのままの姿勢で可南子、
「みたい…だね~~。」
「でさ…。」
今度は両腕を前にピーンと伸ばして、今度は上に、
「あ~~~。何なのよ、これって~~。」
その可南子を庭で見ている燐太郎、
「ん~~~???」
「この話って…。」
可南子、今度は両手で頬を潰すように。そして唇をフニュッと。
そして両肘をテーブルに着ける。
「彩萌さんや定岡先輩、それに史さんや紗枝さん、茉優さんも…知ってる。」
その途端、可南子、両手でテーブルをペン。
「うそ!!!!はい…???」
可羊子、
「はい。ほんと。」
きっぱりと可南子、
「なんで!!!なんで!!!なんでよ、カヨッ!!!」
その声に燐太郎、
「うん…???どした…???」
いきなり可羊子、目を縦長に、鼻の下を伸ばして、そしてへの字の唇。
「…いや…。その…。事の…成り行き上…。はい…。…致し方…なく…。…はい。」
「カ~ヨ~~。なんで…。トホホホホホホホ。うっそ~~~。」
いきなり今度は、テーブルの上に両腕をダラリとその上に顔を埋もれさせる可南子。
二の腕の中の口から、
「みんな…、知っちゃってるじゃ~~ん。」
燐太郎、庭で見て、
「ん~~???…どした~可南子…???」
そして、
「可南子~~???」
そんな燐太郎に可南子、
「はっ。おじいちゃん。…ん~~。んんんん。何でもない。」
いきなり腕から顔を起こして。
「うんうん。何でもない。大丈夫。大丈夫。」
髪を撫でながら可南子。
「へへ。へへへへへ。」
口を真一文字に。
そして目をキョロキョロさせながら可羊子。
「…で、みんな、お姉ぇ。応援するって。」

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庄司紗千 花笠音頭
※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。