「ひとり…、いますよ。」 | THMIS mama “お洒落の小部屋”

ドキドキ 受話器を耳に夕美子、心と亜季の顔を交互に見ながら…。

心、亜季、
「デスク…、誰に…???」

「もしもし、新條さん、お待たせしました。」
電話の向こうから…。

「あ、はい。すみません。」

「ひとり…、いますよ。」
健之。

「ありがとうございます。」
「掛川と言うカメラマンですが…。腕の良いカメラマンです。…けど~~。」

夕美子、
「掛…川…さん…。」

心と亜季の顔を見て、もう一度、
「掛川…さん。」

その名前を聞いた瞬間、心、亜季、顔を顰めて、
「もしかして…、ソフィア…。しかも…。…あっちゃ~~。」

夕美子、受話器の向こうに、
「もしもし、矢萩さん。掛川さんと…言うと、もしかして…、掛川修作さん…???」

その声に健之、
「えぇ~。その…掛川修作さんです。」

夕美子、心と亜季と同様に、苦虫を潰したように、
「ん~~。」
受話器を左の手に持ち替えて左の耳に。
そして右手で髪を掻き揚げながら、
「そうですか~。」

心と亜季、そして真奈香までもが、両手をクロスして。少しの沈黙。

受話器の向こう、
「新條さん、どうしました…???」

夕美子、口をすぼめて、そして真顔になって、
「矢萩さん。お願いします!!!」

亜季、
「夕美子―――――っ!!!」

心と真奈香、
「デスク――――――???」

その声が受話器の向こうから聞こえたのかは…、けれども、
「…分かりました。手配します。」
健之。

夕美子、心と亜季、そして真奈香の心情を感じてはいるが、受話器の向こうに、
「すみません、いきなりなもので…、よろしくお願いします。」

「…新條さん、彼の事に関しては私も把握してます。大丈夫ですよ。ご心配なく。私が責任持ちますから…。」

そんな健之の話に受話器の向こうに夕美子、
「ありがとうございます。お願いします。」

立ちっぱなしの亜季、そして心。

椅子で状況を見守っている真奈香。

思わずため息、
「なんだって…。こういう時に、掛川…。ソフィアの編集者なら…大丈夫だろうけど…。」
亜季。

夕美子、腕を組みながら椅子の背もたれに、バン。
「やるっきゃない。」

心、
「デスク~~。」
そして、
「…ごめんなさい。」

夕美子、
「ば~っかね~。あんたが謝ることじゃないでしょう~。心~~。」


掛川修作(かけかわしゅうさく)。かつてその才能を買われ、
ソフィアの雑誌の表紙まで担当していた専属カメラマンである。
それだけでも超一流。

けれども、厄介な事に、かなり女癖が悪く、
モデル潰しとも言われるほどのカメラマンだったのである。








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