自分の書斎で寛ぐ桐生将紀。
グラスに入っているブランデーを一口。
ソファーに座り、資料を1枚ずつ、見通しながら、秘書のひとり洞門万葉(かずは)、
「…で、会長…、どうなさいます…???」
その万葉の声に、
「ん~~???ん~~。ははは。…ふぁ~っはっはっはっ。…ふ~ん。あいつをねぇ~。東京の…お偉いさま…が…。」
ベッドの中で将史、
「翔太…。」
「多分…、愛美ちゃん…、将史に…言えなかったんじゃ…。いや…、言えなかったんじゃなくって…。…なんつぅかな~???つまり…。」
どう言えば良いか分からなくなって翔太。
真っ直ぐ部屋の壁を見つめて将史、
「愛が…、俺の事…。」
「うそ…。将史…。もしかして…、お前…、全然気付かなかったのか…、愛美ちゃんの事…???」
「…いや…。そんな事言われたって…。」
「…で~。どうするよ…。愛美ちゃん…、向こうさんに返事しなきゃ…なんねぇし…。」
壁を見ながら、今度は天井を見つめて、
「…愛…。大学時代から…俺の事…。」
今度は下を向いて…。
「やれやれ…、お前って奴は…。女心…。」
「…って~~。お前がそれ…言うか~???」
「いや…、だってよ~。何年だよ、愛美ちゃんと友達やってきて~。…それに…。」
「なんだよ。」
「いいか、良く聞けよ。…今回の件で、一番心配してたの、愛美ちゃんだからな。あの夜、一晩中お前の名前呼んで、ベッドの傍にピッタリとお前に寄り添ってたの、愛美ちゃんだからな。朝までずっと。」
「えっ…。」
「普通~そんな事出来るの、ここじゃ愛美ちゃんくらいだろうが~。」
「翔…太…。」
「しかも、夜遅くから~。あん時、時間、11時過ぎてたんだからよ~。」
「……。」
小さな声でボソッと翔太、
「愛美ちゃん…もう…気付いてるよ…。」
ベッドの向こうのブラインドを見つめて、
「会社のあの女性…。お前と喧嘩した女の人…、お前の事…好きなんだって…。」
その翔太の言葉を聞いて将史、
「しょ…翔太…、お前ら…、それ…。」
「そうなんだろ…???」
将史、
「……。」
「俺も全然知らなくってさ。……愛美ちゃんにそれ…言われて…。うそだろって…。」

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
《PR》
庄司紗千 つつじヶ丘の坂道で…。
※ご本人の承認の下、紹介させて頂いております。