「…この声だぁ~~。」 | THMIS mama “お洒落の小部屋”

ドキドキ 「もう~いい加減にして。」
バーのカウンターで待つこと1時間。
席を立ち、バッグを持ってスツールから離れドアに向かう。

その時にドアの向こうに男性。
「遅れてごめん。」

髪を乱し、襟元も少し乱れて、ネクタイも乱れて…。
そんな男性を睨みつけて、何も言わずに男性の傍を通ると、
「!!!!!」

ジュリアン、男性を横目で見て、もの凄い形相で睨みつけて、
両肩を上げて、大きな声で、
「なんなのよ、あんた――――――っ!!!この期に及んで、まだ他の人―――――――っ!!!」

一呼吸置いて、

「ふざけんじゃないわよ――――――っ!!!!」

いきなり男性の左頬を右手で叩いていた。


涙を流しながらジュリアン、
「もう~うんざり。電話しないで!!!警察に言う。愛してる人、いるんだから!!!!」


惨めだった。1時間も待った男性の姿、
通り過ぎた瞬間に男性から鼻に突いた香水の匂い。

急ぎ足でホテルを出て、ただひたすらに歩いていた。
気付いたら駅のホーム。

目の前を何度も電車が通り過ぎる。
そしてスマホに着電。電話の向こうに、
「南朋(なお)~~。終わったよ~~。」

電話の向こうから駅のアナウンスに混じって聞こえるジュリアンの声。
ソファーに座ったままで、
「そっか~。ようやく…だ…な。はぁ~。…大丈夫かぁ~ジュリアン???ふふ…。」

笑顔で慰めてくれているような声がジュリアンの右耳に心地良く届く。
「…この声だぁ~~。」
頭の中で、そんな風に感じて…、
「…うん…。私…、大丈夫だよ。南朋がいる…。」

「そか。うん。良し。…で…???これからどうする???」
「…これから…私…。…みんなのところ…行こうか…って…。」

「プロジェクトのメンバー…???おぅ…。良いだろ、行っといで。うん。」
「ありがと。んじゃ…。」

わずかに、1時間前の出来事が頭の中で…。
けれども…、
「叶ちゃん…、マ~坊~…。ふふ…。」

自分の前を歩く5人の後ろ姿を見て…、
「でも~~。良~く、あんなの…思い付いたよね~叶ちゃ~ん。」

瞳美、
「へっ…???んふ…。へへへ…。」

そう言いながら横で歩いている将史の顔を見て…。
そして将史も瞳美の顔を…。

瞳美、
「べぇ~~。」






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庄司紗千 海をこえて

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