小鼻をみるみる赤くして、瞼に涙を溜め、そして目尻から枕に伝う涙。 思わず…、
「はぁ~。」
と言う声を発し、鼻声になって、鼻に手をやり、鼻水を手で拭い、
両手で頬を抑えて、目を閉じ、涙を拭う基子。
「モコ…???」
夫のその言葉に、両手で顔を覆い、喉を絞ったような声で、
「クゥ~。」と言う鳴き声で、数秒…。
その後、少し咳き込んで、夫の顔を見る。
「大丈夫か???」
夫の声、そして、少しして…、
「うん。」
ぐしょぐしょになった基子の頬を右手で撫でながら、
またくしゃくしゃになって、
「…もう、見れないんだ、栄さんの顔…。あんなに優しかったのに…。」
そう言いながら、夫の左手を掴んで体に引き寄せる基子。
川岸もそんな基子の体を抱き締め、
左手は基子の髪を撫で、右手で基子の背中をさする。
少しの間、沈黙のままで、静かに基子の体をベッドに戻す川岸。
「トシがいない時も、愛ちゃんと栄さん、見舞いにきてくれてた…。琴ちゃんも一緒に…。すんごく嬉しかった。花束持って、果物持って…。栄さん、冗談上手で…。」
「うんうん、そうだったな。」
そんな川岸の目も…次第に…。
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