少しずつお勝手の事も青森の兄夫婦が、 栄二や愛子の知人友人と、打ち解け始め、話題が盛り上がっていた。
それとは逆に、火葬後、愛子と琴美を自宅に送り届けた後に、
肝心の今回の功労者たる川岸は、
新谷家の親族と友人知人に後を任せ、
病院のベッドの中の妻、基子の元に向かっていた。
「あら、川岸さん…は…???」
と、愛子が義理の姉の慶子から質問された時には、
「自宅の方に戻るとの事で…、帰られました。」
と、そう伝えた。
「そう…、そうだったの…。何から何まで良くやってくたれたものね~お疲れ様よね~!こら、孝志、あんた、それ、指で取らない。」
そんな慶子の言葉に、愛子は「ふふ…。」と、
ちょっとだけ微笑み、宴の席にまた腰を下ろしたのだった。
宴の席の酒は故人に対し、
酒を持って追悼をすると言う古くからの故人への敬意と言われている。
酒の肴を摘みながら、亡き栄二の様々な生前の思い出が、
夜遅くまで新谷家では続くのだった。
その頃、川岸と言えば、一度は帰宅し、
普段着に着替え、妻のいる病院へと…。
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