藤崎純一、そんな家庭的な面を持ちながらも高校時代に、 ある女性を好きになっている。
それが音楽教師である。
もしかしたら、自分の姉が将来は、
こういう女性になるのではなかろうかと言う、
淡い思いが胸に宿り、思いっ切りの片思いである。
淡い初恋…。
自分より一回りも年上の女性である。
けれどもその音楽教師に対しての思いは、
自分では信じられないほどの、
異性の女性に対しての衝撃的な思いでもあった。
母親の愛を知らない純一にとって、
その音楽教師は姉朋子と同じように、
いつも、どこででも優しく接してくれ、
そして純一からの様々な相談にも、
丁寧に、親身になってくれる女性だったのである。
けれども、その音楽教師も純一が高校2年の頃には、
結婚と同時に教師を辞めている。
純一にとっては涙の結末であったが、
どうする事も出来ない状況が、時間だけが勝手に過ぎ、
それが、やがては純一の思い出となって、
次第に薄れていった。
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