~2013年3月5日~
予定日まで数日だが、「まだなの?ねーまだなの?」という周囲の声が大きくなってきている。
腹の子が子宮にみっちり入っているので、ちょっとでも手足伸ばされると痛くってたまらない。
特に深夜、眠りにつこうという頃に大暴れを始めるのでこちらも自分の腹をなぐりつけたくなってしまう。
・・・なんて素直な感想を述べれば、
えっ、すでに子供を殴りたいって?生まれてもないのに?あなた大丈夫?産んでからも子供にギャン泣きされて虐待ママになるんじゃ?
って顔されるからねー近頃は。
どんなに痛くても辛くても
「ちょっと痛いけど、腹の子が元気ならいいの」
と殊勝に微笑んで見せなくてはならない。
という風潮は感じつつも、私は周りがどう思うかなんて全然気にしていないので
夜中ひとりで、いたいっ、てめぇこれ以上蹴るならさっさと出てきやがれ、出てきて暴れてみろよコノヤロー!
と暴言吐きまくりなのである。
ああ、義理の親と同居じゃなくてよかった。
里帰り出産でなくてよかった。
でも、暴言吐いても胎動がとまるわけじゃないので、仕方なく腹に突き出るこぶしや肩やかかとをいちいち握り返し、ハイハイハイハイとなでているうちに寝てしまうのだから結果平和な感じ。
30年前に同じように私や夫を無事産み落とした女たち(母や義母)は、今や私の味方でもなんでもない。
口々に勝手なことを言いやがるので、私の聞き流し力は上がる一方よ。
女って、女に厳しい傾向にあるよなー。
特に「私たちも同じ、いえ、もっと苦労したのだから、そんなことで文句言うな!」
っていう論法が多くてやんなっちゃうー。
なので大げさに夫に甘え泣きつき慰めてもらって、なんとか溜飲を下げているのですよ。
これなにげに、家庭円満の秘訣やね。
さて、少し前から
「6という数字に縁がある子だ」
と言っていた占い好きの義母がメールしてきて
「たぶん明日だと思う。明日からしばらく晴れるみたいだし、ベリーダンスでもして出てきてもらうといいかも?」
って、ヨメの私を気遣いつつの予言メールが送られてきた。
当たっても何も出ませんよ、と思いつつ、素直に はーいと返しておいたがどうなることやら。 →この予言、外れましたー。
私の実家の母は母で、頼んでもいないのに、というかむしろ断ったのに自主的に3月後半に一週間の休みを取ったらしい。
手伝いに来てくれるらしいが、その頃自分がどういうメンタルなのか予想もつかないので、あらあらまぁまぁとしか言えない。
しかしみな、私を腹の中からいじめるこやつの誕生を楽しみにしている様子。
私も楽しみではあるが、正直周囲ほどテンション上がらない。
だってそうじゃない?痛いことするってわかってるのにめっちゃ楽しみ~って手放しに言えるわけがない。
会う人会う人に「産まれたら大変よ~」って言われてんのに、
「いえ、私はそれでも楽しみの方が勝ります、新しい命ばんざい!」なんて言えないね。
妊娠・出産にまつわる常套句・・・っていうか定形挨拶文にほとほと飽きて嫌気がさしているのだが、自分も妊娠前は同じようなことを言っていたわけで。
いやー、なってみなくちゃわからないことって多いわ。
つか、夕方。
大暴れタイムが始まっている。
夕方~夜にかけての胎動過多って、同じ時間に本陣痛起こすわよっていう予言なのだろうか?
関係ないのだろうか?
理不尽な痛みを雑念で埋めるように時間が経過する。
気がついたらあっという間に夜中だから驚くのよ毎日。
もし明日陣痛がきたら、こんな日々にもさようなら、こんにちは新しい生活、っていうことになるわけですね。
人生、一日先は闇なんだねー。一寸先も闇なんだねー。
あ、嫌ってわけじゃないし暗い話をしているわけじゃない。
ただ、産まれるときから予測不可能なのね、人生って。
という事実に哲学的な感心を覚えているだけ。
しかし一説によると、生まれてくる赤子はわかっているそうだ。
自分と母体の健康状態やタイミングを見計らって、そして「おし、行くで」と決意する。
すると赤子の脳の中から何やらGOサインを含んだ物質が母体に流れ、そして陣痛が始まる、ということらしい。
生まれてくる、って一言でいうけど、別に遠路はるばるコウノトリに運ばれてくるわけでも車で宅配されるわけでもなく、腹から腹の外へほんの30センチもない道。
物理的には子宮を出て産道~膣を経るだけのこと。
食べ物がうんこになるより短い。
でも、死ぬかもしれないんだもんね。
生きて出られるとは限らない。
この世にいるどんな人間も、この道を通って今があるのか~
と思うとなんつーか、簡単なような難しいような、貴重なような当たり前のような、変な感じがする。
で、腹の中ってこの世なの?あの世なの?三途の川べりの水たまり?
などと、わからないことは一層ふくらんで、自分の存在すら不思議でしょうがなくなる。
たかが繁殖、されど繁殖。世の中、解明されていない謎はまだまだ多いな。
一週間後の私は何をしているのだろうか。
本当に全く想像がつかない。
みなさんに言いたいのは・・・
これからも、友達でいてね。