口の中も少し切っていたため何も食べられず、下唇が切れていたため満足に水も

飲めない中、電車にゆられること7時間。


チェンナイに着いたのは夕方。


ホテルを探し、荷物を降ろし、国際電話がかけられるところを見つける。


海外旅行傷害保険(入ってて本当によかった)のハンドブックを手に、サポートセンターに

電話。接続が悪くて何回もブツブツ切れるのをグッとこらえて事情を説明。

「自分で飛び降りた」と言うと保険金がでなそうなので、階段から転げ落ちた事にした。

おほほ。


とりあえず紹介できる医師は内科医?GP?とのこと。

歯が折れてるんですけど・・・

でもまあ口も切れてるし、心配なのでとりあえずそこを紹介してもらった。


それから日本の親に電話。

お母さんの「もしもし」という声を3ヶ月ぶりくらいに聞いて、涙が溢れ出す。


「どうしたの!ひさしぶりね~!元気??今どこにいるの?」

と嬉しそうな母。


「あのね・・・飛び降りて・・・前歯が折れちゃって・・・今やっと大きな都市に着いて・・・」

と泣きながら話す私。


「えっ?歯が折れたって、何アンタ、どういうこと?どうしたの??」


母はパニックである。

私の状況は彼女の許容範囲を完全にオーバー。

東京タワーが二つに折れたとか言うのと同じくらいの、信じがたい状況。


「インドの病院なんて、大丈夫なの?もう早く日本に帰ってきなさい!」


「うん・・・そうだね・・・まあとりあえず明日病院に行って・・・」

と、返事をにごす私。

私のインド旅行をすごく心配し、本当は行って欲しくない、といっていた母。

彼女の気持ちは痛いほどよくわかった。


でも私はこんな目にあっても、まだ絶対日本には帰りたくなかった。


私はその時、旅行を初めて4ヶ月程で、まだ半年くらいは帰らないつもりだったのだ。

翌年の1月からシドニーの大学に行くことが決まっていたし、その後またこんな大きな旅行が

出来るのは時間的にも金銭的にもキャリア的にも難しいだろう、とわかっていたから。


さて翌日。


紹介された病院は、「地元のお医者さん」という感じのクリニックだった。

でもまあ結構こぎれいだし、少し安心する私。


診察室にとおされると、いかにも医者といういでたちで、かつ金の指輪をつけてお金持ちそうな

ドクターが流暢な英語で色々聞いてくれた。

ちゃんと言葉が通じて状況が説明出来る人に会えて、私はとても安心した。


唇に歯の破片が残っていないか調べるためレントゲンをとったり、破傷風の注射をした後、

歯の治療はどうするか、ということになった。


するとその医師は


「ノープロブレム!インドの歯医者はとても優秀なんだよ!

僕の友達が歯医者だから紹介状をかいてやろう、しかも場所もすぐそこだよ」


と言う。


インドの歯医者・・・優秀って友達のことヤブ医者って言わないよな・・・

大体優秀って言っても技術とか日本と比べてどうなわけ?

器具とか清潔なの?

エイズとか大丈夫なの?

でも日本には帰りたくないからここでやるっきゃない?


私の頭の中を不安と???????がぐるぐると渦巻いたのだった。



またまたつづく

(すいませんね、今回話長くて・・・)