ある時、算数が苦手な恐竜少年は、授業中に言い放った。

訳の分からない問題をやっていた不満が爆発!
先生や大人、友達に対する不満を一気にぶちまけた。
私はただただ「そうだよね…」と、彼の気持ちが落ち着くまで聞いていた。

彼は不満があっても、彼との学習はこれからも続いていく。
大好きな恐竜と大嫌いな算数を絡めて、彼と話せるきっかけができないだろうか?
私は、図書館で一冊の恐竜の本を借りてきた。
そこには、発掘調査で現場の状況を縮小して描いた絵があり、実際の大きさを書いて記録している物だった。

彼との算数の時間、私は恐竜の本を差し出した。
大好きな恐竜の本を夢中になって読んでいる彼に、発掘調査のページを開いた。
「恐竜と算数関係あるの?」

「別に写真だけあればいいんじゃね?」
そういう彼に、私はこう答える。
「どのくらいの大きさでどのくらいの長さがあったか、正しく記録しておくと、そこから計算して実際の大きさとか分かるかもしれないよね。」
彼の表情が変わったのが分かった。

 

仕事が始まってから1ヶ月、何度も子どもの様子を見ることを忘れ、与えた課題を解くことに目を向けていた。授業はほとんど伝わってないから、子どもも私も正直とってもきつかった。
1枚のプリントに執着しすぎていた。難しくて落ち込んで泣かせちゃった場面や、力尽きてグッタリする場面にも遭った。自分のことで手一杯で、大切な子どもたちの様子まで見てなかった。反省した。

そんな時に子どもの『好き』から勉強へ繋げるきっかけ作りができた。
私にとっては、すごくすごく大きな一歩で、大きな自信に繋がる日になった。