夫がふたたび失業した。
この2年間で二度目の出来事だ。

家族としてショックと言えばショックだったけれど、前回ほどは驚かなかった。

夫が退職したのは昨日。
私はおとといまで、そのことを知らなかった。

いつ決まったかも知らないし、詳しいことも聞いていない。

分かっているのは、今日から夫が仕事に行かなくなったことだけだ。

彼の中で、色々な思いはあっただろう。

でも、夫は私には話そうとしなかった。

私がなぜ夫の退職を知ることになったかというと、彼が独り言のようにこう呟いたからだ。

「明日までかぁ… 
   お世話になりました。」

退職とか仕事という言葉は口にしなかったけれど、夫の「お世話になりました」という呟きで、会社を辞めるのだと思った。

夫に聞いたら、その通りだと答えた。

前回のときは、早く仕事を見つけてほしいからと、私は夫にプレッシャーを与え続けてしまった。

生活費が足りなくなることが不安でたまらなかったからだ。

そして、私がなにか言うたびに、夫にはとても嫌な顔をされた。

結局、夫の仕事はすぐに見つからず、新しい就職先が決まるまでに8ヶ月かかった。

私がそのときに学んだことは、自分の不安を消すために相手を変えようとしても、状況は良くならないということだった。

今回は、その反省から夫には何も言わないことに決めている。

すぐに仕事を探すか探さないか、決めるのは夫。

私は焦らず、普段どおりに過ごしていようと思う。

夫に任せておいた方が、多分うまく行くだろう。

私にとって救いだったのは、夫がボソッと呟いた「お世話になりました」という言葉で、彼が退職した会社に感謝の気持ちを感じていることだった。