昔の職場で、
「大丈夫ですか?」
と質問されると、いつも
「すみません。すぐやります!」
と答えていた。

相手は仕事の進み具合を心配して、大丈夫かどうかを聞いてくれただけなのに、この質問をされると、勝手にビクっとなっていた。

当時の私は、
「大丈夫ですか?」
の意味を
「あなた、仕事がぜんぜん進んでないんじゃない?」
「もっと早く進めないと、どんどん仕事がたまっちゃいますよ。」
「スピードアップしてくださいね。」
と捉えていた。

特に転職したばかりの職場では、人一倍仕事を覚えるのに時間がかかって、すごく焦っていた。
でも、丁寧にやらないと失敗しそうで怖いから、気持ちは焦るのに、何度も何度も確認しながら進めるので、余計に時間がかかっていた。

例えば、お客さんにメールを送るときも、送る前に添付ファイルを5回くらい開いて確認しないと、間違ったファイルをつけてないか不安で不安で。
宛先は間違えていないかとか、何回も確認してから送るので、すごく時間がかかっていた。

いつも私は「仕事が遅い人」の劣等感があるから、トイレに席を立つ時間さえ申し訳なくて、小走りでトイレに行っていた。

ある日、仕事を教えてくれてる先輩から言われた。
「‘’大丈夫ですか?‘’っていうのは、別に責めてる訳じゃないんですよ。ほんとに大丈夫か心配だから訊いてるだけなんですよ。」
と。

ああ、私焦る気持ちばかりが先走って、気づかないうちに先輩にも不快な思いさせちゃってたんだ、と気づかされた。

ほんとに心配してくれてるのに、その言葉を無視して、「ごめんなさい」とか「すぐやります。」ばかりだった。

単純に自分の状態を答えるだけでよかったのだ。
大丈夫じゃなかったら、どこが大丈夫じゃないのか。

教える側だって、不安なんだ。私がどこにつまずいて、どこに困っているか教えてもらわないと、その先どう教えていいか分からなかったのだ。

せっかく救いの手をさしのべようとしてくれていたのに、
「すみません」
って言葉で振り払っていた。

昔の職場で、失敗から学んだコミュニケーションの方法。

私を、‘’責めてる訳じゃない‘’と教えてくれた、その当時の先輩の言葉には、今でも感謝している。