昔むかし
私がまだ子供だった頃
絵が得意だった父とふたり
スケッチブックと
水彩絵の具を持って
ふるさとの山を写生に
行ったことがある
田舎道に車を止めて
ふたり並んで絵を描いた
なにを話すでもなく
アドバイスをされるでもなく
ただ黙々と山を描いた
父の描いた絵を見て
子供心に上手だと思ったのは
今でもよく覚えている
年を取っても父はよく絵を描いて
気に入った絵を額に入れて
少し得意そうにしていた
「欲しけりゃ持って行っていいぞ」
そう言われたことがあったが
私はもらってこなかった
あの絵はまだあるのかな
父はきっと自分の絵を
持たせたかったんだろう
自慢気に絵を並べて
「好きなのやるぞ、持って行け」
何度も言っていたのにね
もしもまだ
実家に絵が残っていたなら
一枚もらってこようかな
きっと父は
「一枚なんてケチなこと言うな、全部持っていけ」
そう言うかもしれない
私がまだ子供だった頃
絵が得意だった父とふたり
スケッチブックと
水彩絵の具を持って
ふるさとの山を写生に
行ったことがある
田舎道に車を止めて
ふたり並んで絵を描いた
なにを話すでもなく
アドバイスをされるでもなく
ただ黙々と山を描いた
父の描いた絵を見て
子供心に上手だと思ったのは
今でもよく覚えている
年を取っても父はよく絵を描いて
気に入った絵を額に入れて
少し得意そうにしていた
「欲しけりゃ持って行っていいぞ」
そう言われたことがあったが
私はもらってこなかった
あの絵はまだあるのかな
父はきっと自分の絵を
持たせたかったんだろう
自慢気に絵を並べて
「好きなのやるぞ、持って行け」
何度も言っていたのにね
もしもまだ
実家に絵が残っていたなら
一枚もらってこようかな
きっと父は
「一枚なんてケチなこと言うな、全部持っていけ」
そう言うかもしれない