実家から持ち帰った

古いアルバムには

白黒の写真が丁寧に

並べられていました



アルバムの表紙には

おいたち

とタイトルがあり

赤ちゃんの私や幼い私が

そこにいました



写真の一枚一枚に

母の字でひと言ずつ

メッセージがありました



「どうして笑わないの」

「笑ってよ」

「まるっきり男の子」

「自動車に腰かけて生意気さん」

「とってもかわいいわ」

「海って広いでしょう。お母ちゃんもネ、生まれて初めて海へ来たのよ」

「大きなりんごをもってすてきなスタイルよ、かわい子ちゃん」



たくさんの愛情が

そこにはありました



そして

「お父ちゃんとお手手つないで ハイッ パチリ」

「お父ちゃんと仲良く うらやましいわ」

「お父ちゃんにそっくり」



幼い日

父に抱っこされた私が

父と手をつないだ私が

父によく似た私が

そこにはいたのでした



父から愛情を感じたことはない

とか

父は私を嫌いなんだ

とか

ずっとずっとずっと

私は思ってきました



間違っていました

私は父のいいところを

見ようとしませんでした

父の不器用な愛情を

認めようとしませんでした



父によく似た私は

不器用で素直になれない

そんなところまで

よく似てしまいました



亡くなってさえもきっと父は

自分から折れることは

絶対にないでしょう

だから私が謝ります

遅すぎるけれど謝ります



ごめんね、お父ちゃん

本当に本当にごめんなさい

私を少しでもかわいいと思うなら

「バカが、今頃わかったか」

いつもみたいにそう言って欲しい

好きな煙草を吸いながらでも