俳優の喜びのひとつは「小池にこういう役をやらせたい」と求められること、そうした関係それ自体が嬉しいと小池さん。自分の気持の中ですでに終わった役を、再び演じることには抵抗がありましたが、それでも引き受けたのは、映画『八日目の蟬』でご一緒した成島 出監督の存在が大きかったと言います。
「舞台版の『グッドバイ』を見た後に、ものすごく興奮した感じで電話を頂いて、その時に『小池をヒロインに、絶対に映画化したい』とおっしゃって下さって。『八日目の蟬』の後にも『いつか君をヒロインに映画を撮ろうと思う』というお手紙を頂いたんですが、本気で言ってくださっていたんだなと。決まった時はドキドキしましたし、すごく嬉しかったですね」
『八日目の蟬』での悔しい思い出。
“ヒロインを張れる人”の違いを知る
『八日目の蟬』の現場で、小池さんの心に強く残っていることがあります。それは、主演の井上真央さんと友人役の小池さんが、片田舎の写真館から出て港に走るという場面を撮影した、撮影最終日のこと。
「当時はまだフィルム撮影だったし、日落ち寸前で何テイクも撮れる状況ではなくて。結局3テイクやったと思います。1テイク目は『良かったけど、もう1回やろう』と。2テイク目は『真央ちゃんがすっごい良かったけど、栄子ちゃんはさっきのほうが良かった』。最後の3テイク目では何も言葉がもらえず、なんで1テイク目にやれたことを、もう一回できなかったんだろう……って落ち込んで。そうしたら監督がおっしゃったんです、『そういうとこキメられるのがヒロインなんだよ』って。そうだよな、って思ったんですよね。真央ちゃんがどうこうということではなくて、つまり“持ってる人”ってそういうことだし、映画としては主演俳優がよかったテイクを使うのが当たり前だしーーとにかく監督のその言葉がずーっと心に残っていて。だからこそ、いつか成島作品でヒロインを演じたいと思っていたんですーーと、今回、監督にもこの話をしました」
実はこの映画でも、似たような局面がありました。非常に大事な場面で、手がかかるために何度もは繰り返せず、撮影は日落ちのタイミング。
「その撮影の1テイク目で、なぜか頭が真っ白になって、セリフが出てこなかったんです(涙)。『八日目の蟬』のあの撮影が、まるで走馬灯のように頭の中にバーっと蘇ってきて。“絶対にキメないとダメだ”って思いすぎて、ちょっと怖い、って思っちゃってたんですよね」
もちろんその後の撮影ではリベンジを果たし、場面は映画の見事なクライマックスになっています。こんなエピソードにも、小池さんの人柄と、俳優業に対する思いがにじみます。
・・・(T_T)

















