秋分の日あたりに
母と私の会話の中で
その人の話になるのは2回目だ。
母は気付いているのだろうか。
その人の名はケイコさん。
昨日もその人の話になった。
ケイコさんは父と母が結婚する前に
父がお付き合いしていた女性。
(ここからは父と母から聞いた話を私が考察してお話します)
そんな中
父はグループ交際的なノリで
2対2で母と遊ぶようになった。
純粋でウブな母。
真逆のちょっとワルイ風の父に恋をした。
父は友達、
という感覚だったのではないだろうか。
しかし純粋な母は
思いを募らせ
自分の両親に
結婚したい人がいる、と話した。
でも父は複雑な生い立ちがゆえ
反対された。
母のあの真っ直ぐで
こうと思いこんだらテコでも動かない
よく言えば芯がある
悪く言えば頑固な性格。
母は両親を説得した。
そんな熱意に駆られ
両親は父に会いに行く。
「娘と結婚するのか?」
または
「娘をもらってくれるのか?」
そこでどんな会話があったかは
わからないけど
娘の熱意に駆られた両親は
父にお付き合いしてる人がいると知り
別れてくれ、と頼んだのだ。
色んな好条件を与えた。
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その時の父の気持ちはわからない。
ただ、20年間くらい前
泥酔した父がその話をしだして
「うら(福井弁で自分のこと)はケイコと一緒になりたかったんや。子供もいたんじゃぁ。」
「子供はおろした。ケイコはもう死んだ」
衝撃だった。
その話を聞いたのはその時が初めてで
私は涙を堪えることができなくて
その場でポロポロ泣いてしまった。
父は、母を愛して結婚したのではない?
母の一方的な想いで結ばれた2人?
二十歳そこそこの私は傷ついた。
ケイコさんはどんな思いで…
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月日は流れ
母からもその話を聞くことができた。
なんと
母はケイコさんの存在を
結婚するまで知らなかった。
ケイコさんは父と別れたあと
結婚して、子供にも恵まれ
その後、ご病気で亡くなられたと。
そのことは唯一の救いだった。
勝手な思いだけど
父と別れたあと
天涯孤独で亡くなった、とかじゃなくて
良かった…
父が当時どんな思いだったのか。
好条件につられただけか
ケイコさんとは別れるつもりだったのか。
ケイコさんのご両親からも
反対されてたのかもしれない
母を愛して結婚したと思いたい。
でないと母が可愛そうすぎる。
父に改めてその話を聞いても
あの、初めて聞いた時の
酔って話してたように話してくれない。
どっちが本当?
でもそこには愛があったと思いたい。
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秋分の日にケイコさんは
私達に会いに来てくれてるのかな?
ケイコさんが身をひいてくれなかったら
私はこの世に存在しないわけで。
今日の秋分の日
いつもより思いを込めて
ケイコさんと赤ちゃんに
手を合わせよう。
ケイコさんと赤ちゃんへ
私を生かしてくれている全ての存在へ
私たちを生かしてくれてありがとう。
髙橋美恵子








