14時46分の今日のその時
わたしは京都へ戻る快速電車の一番前の車両で
現れては消えるたくさんのビルや工場、建物や橋や川、たくさんの家を見るとはなしに見ていて

隣に座った女の子は次々とクリアしていくケータイゲームに夢中で
周りの人たちもいちように、土曜日という日をすごしていて、
もしこれが六年前のその時、被災した場所やったら
わたしは今間違いなく安否の確認もできないまま、どこでいなくなったかもきっとわからないままやったのやろう、誰も知っている人のいないこの場所で。
そんなことを思ったら、ぎゅっと目をつむって
今日まで生きてこれたことに感謝しよう
何事もなく電車を降りて家まで帰れたことを当たり前に思わないでおこうと思った。
夜になってしまったけど、
すきな詩を一篇。

だれよりもはやく めをさますのは そら
おひさまのてがふれると
よるははずかしがって あかくなる
ゆめのくにへ かえっていく ゆめのこどもたち
みんなまっている
いきをひそめて
ちきゅうがまわっている
ゆっくり とてもしずかに
はじめての おはようのまえの かすかなものおと
あんなにとおいのに こんなにちかいおひさま
ひかりが そっとはいってくる
ゆめでまいごになった こころのなかへ
まぶしい まぶしい まぶしい
きょう はじめてのきょう
だれのものでもない ほうせきがいっぱい
はっぱもくきも ねっこまでわらってる
ひかりにくすぐられて
もう とりたちはおきている
ありもおきている たぶんもぐらも
おわってしまうものは
ひとつもない
すべてがはじまり
くさのかおり かぜのかおり いのちのかおり
おはよう うみ
おはようそら
おはようきょう
谷川俊太郎/文

いつも意識してこんな風に過ごすことはできないかもしれないけど、
今日は、明日もそう思えるように過ごそうと思います。

今朝沈丁花が小さく開いたよ。
花言葉は不滅、永遠、

被災した方たちが、悲しみや苦しみ、恐怖を少しずつでもやわらげて笑顔で暮らせる日がきますように。