トマトの味噌汁 | 幕内秀夫の食生活日記

幕内秀夫の食生活日記

「食」にかかわる諸々を綴っていきます

 たまたま以下の文章に出会いました。たぶん?たまたま「トマト」について書いていたから目にとまったのでしょう。

 

本棚から辻嘉一の「味噌汁三百六十五日」を、食堂の丸テーブルに持ち来る。目次を追って、今朝はそのうちの「トマトの味噌汁由来記」を読むことにする。

辻嘉一にトマトの味噌汁を飲ませたのは、当時、京都の、数寄を凝らした家を住まいとしていた蓑助。味噌汁は、茶事の後に、蓑助自身が包丁を振るった懐石で出された。汁については「おいしいお加減」としながら、箸でつまんだ具がトマトと知って「歌舞伎をみようと詰めかけて、新劇をみせられたようで、ちょっととまどいました」と、辻留の二代目は続けている。

僕は、朝の味噌汁だけは自分で作る。僕には料理の基礎というものが無い。また性格的なこともあって、いわゆる「常道」を守らない。だからトマトの味噌汁も、他で知る前に試し、なかなかいけるところから、特に初夏から初秋にかけては、月に何度も作っている。今朝は、前述の文章を読んだこともあって、味噌汁の具はトマトにした。

ところで蓑助といっても、幾人もいる。辻にトマトの味噌汁を飲ませた蓑助とは誰だろうと、検索エンジンで調べた。そしてその人物こそは六代目蓑助、後の八代目三津五郎と知る。

トマトの味噌汁は、トマトをだしでしばらく煮た方が、トマトの酸味が多く抽き出されて美味い気がする。今朝はそこにズッキーニを加えた。ズッキーニは薄く刻み、こちらは逆に、あまり煮ない方が歯ごたえの点からもよろしいと、個人としては思う。今朝のそれは、すこし煮すぎてしまった。

トマトの味噌汁 │ 店主のごはん日記・上澤梅太郎商店

 

▼以下、私どもでウェブ配信している「F&Hニュース91号(8月号)に書いたものの一部です。

・・・・・・・・・・・・テーマは居酒屋の定番メニュー「冷やしトマト」です。

たとえば、トマトの消費量が多い地中海、イタリアやスペインに行くとトマトそのものだけではなく、加工品がたくさんあります。トマトジュース、トマトピューレ、トマトケチャップ、ドライトマト、トマトソース、トマトペースト、パスタソース、ピザソースなどです。これほど多種類の調味料があるのは、トマトは「旨味」成分が多く含まれているからです。とくに多く含まれているのはグルタミン酸です。日本では蕎麦やうどん、煮物に昆布だしを使うことがおおいですが、これも昆布には旨味成分のグルタミン酸が多く含まれているからです。日本で様々な料理に昆布だしが使われていることと、イタリアでたくさんの料理や調味料にトマトが使われていることは非常に似ています。

 トマトは江戸時代にポルトガルから伝えられと言われています。ただし、それは観賞用がほとんどでした。昭和になってから食べられるようになっています。その歴史は決して古くはありません。そのため、地中海の国々と比べるとトマトの旨味を生かした料理や調味料が家庭に普及しているとは言えません。そのため、生で味をつけないで口にする機会は多くありません。だがゆえに、トマト本来の「旨味」に気づかないのだと思います。

お子さんのいる方は、是非、生のトマトを丸かじりさせてみてください。味覚が鋭敏な子どもたちは、トマト本来の「旨さ」に気づいて喜んで食べるでしょう。

 その国で多用されている「食材」には意味がある。と常に考えています。「出汁」はあらゆる料理に使われるので、「トマト」はその可能性があると考えました。「酸味」よりも「旨味」が主役だと思いますね。

 宜しければお試しください。