以前、チラッと
「晩秋、岩山の岩陰で一夜遭難した」と書いた事がありました。
(山慣れしてる方には怒られそうですが…今はもっと用心してますので)
5年前、野湯中心に数日東北温泉巡り。
最後、帰る前にあと1ヶ所行こう、
日が暮れそうだけど、ササッと行ってちょっと浸かってすぐ帰ろう、と山へ。
こんな風に軽く考えちゃったのも、持ってた情報が、
「険しい近道なら20分、平坦な遠回り道なら40分」だったから。
(あとで全く違うって分かるのですが…)
サンダルで行かれると野湯巡りの人が書いていたし、
自らもそれまで野湯へ行く時は、ビーチサンダルでした。
滑りにくいし、お湯に浸かって濡れた足でもOKだから。
すぐ着くと思って、この時もビーサン。11月初め。
道は、険しい近道を選択。
崖に板を渡したような箇所、崩れた箇所もあり…
(滑落事故でもあったんじゃないか、って見た目で怖い)
それにしても着かない。
などと言いながら、進む…。
…着かない。
引き返せば良かったのに、ここまで来て浸かれず帰れるものかと進む。
岩に印がついてるから、このまま進めば絶対着くはずと思い込んだ。
同行者より、むしろ私が行こう行こうと…取り憑かれたかのようでした。
薄暗い中、岩場を登り、斜面を登り…
どのくらい登ったんだろう、完全に間違えたと自覚した時は遅かった。
(以前出しましたが、翌朝の写真。)

(白矢印から黄色矢印に行きたかったのに、赤矢印のもっと先に行ってた)
とうとう真っ暗になった。
雨も降ってきた。
もう動くのは危ない。
石ゴロゴロの斜面で、唐突に大きな岩が現れ、
屈んでやっと通れるくらいの空洞があった。
ここで朝を待つしかない。
(あとで分かったけど、この岩は登山の際のちょっとした名所でした)
こんな岩↓
洞窟ではないので風が抜ける。
いつしか風がゴーゴーと強くなっていて、軽装だったから寒い。
本当にすぐ帰るつもりで、携帯も持ってない。(繋がらないだろうけど)
仕事では持ち歩いてるホカロンもない。
飴の1つもない。
空洞の中に、周囲の小さい石を積んで、
杖がわりに持ってた傘を広げてテントみたいにして…
でも風が抜けてくる。寒い。
ゴーゴーと言う音が尋常じゃなく、暗闇の中で本当に怖くて
「山の神様ごめんなさい!!!」と叫んだ。
笑われるだろうけど、この時は真剣。本当に怖かった。
数年、風の音で震えがくるほどトラウマでした。
2人で大きなタオルをかぶって、傘に隠れるようにしていたけど、
同行者もビーサンで足が冷え過ぎて、もう感覚が無い・動かない、と…。
こんなんで凍傷にでもなったらどうしよう…
同行者の氷のように冷たい足を擦り続けました。
空洞の上は、さらに山が続いてるのだけど…
暗闇の中、ふと上から気配がする…。
何かがこちらを伺ってる気配。
熊だったらマズイ!(秋だし可能性ある)
2人で「ワー!」とか「ホー!」とか声を出して、人居ますよアピール。
(今は、旅に出る時は必ず熊鈴持ってます)
動物しかありえないけど、暗闇の中、もののけの類な気もしてしまい、
これまたかなり怖かったです。
(手で回して点くライトは持ってたけど、とても弱い)
そのうち同行者が寝始めた。
えっ…寝かせていいの?ヤバイの?分からない、どうしよう。
私が岩場登るのを引っ張ったりしてるから、私より疲れてるだろうけど…。
デジカメで時間は分かるので、1時間ごとに起こす事に。
その間、私は積んである石からの隙間風を止めようと、
座ってる周りの土を手で掘って、石の隙間に詰めていった。

同行者は起きるたびに見ると、私が土を掘っていて…
気がオカシクなったのかと思ってたらしい。
(指先がボロボロになり、治るのに数週間かかりました)
掘ってる間も、たまに何かの気配がする。
とにかく夜が長くて長くて…
やっと明るくなり始めた頃はクタクタでした。
同行者は寝て正解だったらしく…
登ったらどこかに出れるのか、ちょっと上の方を見てくる、と。
30分進んでどこにも出なければ戻る、という約束で同行者出発。
って事は、1時間で戻ってこなかったら探しに行かなきゃ…
と思いながら、明るくなった安心感からウトウト。
同行者戻ってきた時には、ウトウトで逆に疲れが出て動けなくて、
あと2日くらいココでジッとしてれば、誰か探しに来てくれるんじゃないか、
だからココに居る…なんて思考になってしまってた(疲)
同行者は霧の中、崖から滑りそうになりながらも開けた所に出たそう。
そこでサーッと霧が引いていき…目の前に墜落事故のモニュメントが現れた…。
あとで調べたら墜落死亡事故があった所だし、
夜登ってきたところも、違う方にそれてたらガスで死亡事故があった所でした。
で、避難小屋があって、地図があった。

進んでも進んでも、別の山に入りこんでしまうだけ…。
(矢印が進んできてしまった道。黄色は山)
雨が止んでるうちに、戻るしかないと説得されて、
(私の気力を起こさせる為。この顔、自分で見ても怖い…)
砂利で滑りそう。
夜、どうやって登ってきたんだろう。
亡・父をしょっちゅう思い出しても、助けて!と思った事は無い。
なんか悪いような気がして。
でもこの時ばかりは、助けて!と思った。
「怖いーっ」って泣きかけたけど…
泣くと集中できないから平常心を自分に言い聞かせ。
2時間以上、下ったかな…
ようやく、本来の目的地にたどり着きました。

沼○温泉の源泉。
川が温泉状態。
管理小屋?も、木の橋もけっこうボロボロ…。
いい感じじゃなくて、廃墟系ボロに見える。(気分の問題?)
(場所分かる方もいらっしゃるでしょうが、ハッキリ書かないで下さいませ~。
今は立ち入り禁止かもしれず、最新情報分からないので…。)
こんな思いまでして着いたんだから浸かる、と同行者…。
え…浸かるの…(疲)
でも背後に霧迫る。
「わー来たー!」また泣きそう。
風の音も怖いが、霧も怖い。
しかもぬるい。冷えた体温められず。
ここからの帰り道は、表示などあって分かった。
でも事前情報大間違い。
全然平坦じゃないし、40分なんてとんでもない。
砂利の斜面登って、登山道通って、沢?下る事、約1時間半。
やっと駐車場に辿り着きました。
下りてこれて良かった…。
救助来るなんて有り得ない静けさ。
もし助けられても、ビーサンで山登った常識知らずとしてニュースになったら最悪。
野湯好きにも迷惑をかけてしまう。
以来、場所に応じた靴等その他色々用意するようになりました。
日没時間前に戻るよう時間配分もしっかり。
ムリはせず、迷ったら戻る。
猛省しました。
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翌年5月、登山道からリベンジ。
雪の下が岩の隙間だったり、
草が出てるのかと思ったら木で、ズボッと足がハマってしまったり…
2時間くらいかかりました。
そういや私、ちょっとだけですが高所恐怖症。
綺麗…だけど雪解けで水増えてて、やっぱりぬるいのでした…。
芹沢友綺
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