夫は適応障害と診断されるまでのことを

話し始めた。


夫はカウンセリングを受ける前、

家に帰るのが嫌でしばらく

職場で寝泊まりしていた。


それを見かねた上司の説得で

カウンセリングを受診したのだと。


夫が一番辛かったのは、私が家を出る前に

夫がこの事を義母に話すと言ったのを


2週間経ってからどうするか決めよう。

それまで話すのは待って。


と言った事だという。

障がいがあり、日々弱っていく義父の

精神的負担を考慮しての事だったのに

夫にしてみれば


Millyのせいで俺は

親にも相談できなくて

ひとりで抱え込んで辛かった。

それで余計にMillyのことが嫌になった


と言う。夫は普段あれだけ

義母と距離を置いていて

前妻との離婚も事後報告だったと

言っていたのに、今回に限って

あてにしていたなんて意外で驚いた。


夫の気持ちをわかってあげないどころか

さらに窮地に追い込む事をしていたなんて…

本当に自分で自分が嫌になる。


楽しい頃を思い出せば

少しは変わるかと思って

昔、一緒に猫に会いに行った場所にも

いったけどダメだった。


相談相手も奪ってとどめを刺した

Millyを憎んでいる。

今は結婚した事を後悔している。


とまで言われた。

鋭い言葉のナイフが胸をえぐり、

私は呼吸の仕方を忘れて苦しくなった。


そして夫は一通り話し終えると、

一息ついてから声を落として


だから離婚して欲しい


と言った。

机の上の結婚指輪を見た時から

想像はしていたけれど

現実になるとショックだった。


口を挟まないと決めていたのに

気持ちが昂って


いや!別れたくない!!


と声を荒げてしまった。


なら、どうすれば良いんだよ!

俺は辛いんだよ!!


私は物凄い覚悟で結婚したから

こんなに簡単に離婚なんてできない。

適応障害で私がいると辛いなら

長期スパンで別居しよう。

それで元気になってから考えよう。


別居しても答えは同じだよ。

これまでの5年間、ずっと我慢して悩んで

それで決めたんだ。

簡単な気持ちで言っているんじゃない。


この時、あれだけ私が軽んじていた

離婚という言葉の重みを身をもって知った。

どんなに後悔しても反省しても

過去は変わらない。


でも今、終わらせなければ

明るい未来に変えられるかもしれない。


それは私のわがままだけど、

適応障害を発症している今、さらに

離婚となると夫の心的負担も大きいだろう

というのも離婚を承諾しない理由だった。


とにかく、今は答えを急ぎたくない。

けど、一度義母には連絡しよう。

そうしたら少しは気も楽になるでしょ。


と告げると、夫は渋々頷き

すぐに義母に電話した。

義母は驚いていたが


大人同士の事だから親が

口出しする事じゃないし、

詳しくは聞かないけれど

急いで結論を出そうとしちゃダメよ。


私としてはMillyさんの事が好きだから

この先も家族でいれたら嬉しい。


夫の電話越しに

そう言っているのが聞こえた。

嗚咽が止まらなくなり、私は部屋を出た。


夫にも言い分はあるだろう。

私の前では言わないでくれているけれど

きちんと溜め込まずに義母に話せば

少しは気が晴れるだろう。


夫は私に酷い事をされて

何度もやめてと懇願したのに

冗談にされて受け流されて辛かった。

それが離婚を望む理由だそう。


しかし私は何度か離婚を口にした以外に

何をしたか覚えていない。

戯れあっている延長でもう、やめてよー

みたいな事はあったけれどそれの事なのか?

これが被害者と加害者の違いなのか。

夫から見たら


私は完全な加害者だ。


今思えば節約だって言い方を変えれば

経済的DVだし、元々モラハラだし、

ふざけてはたいたりつねったりしたのは

立派な身体的DVだ。


お互い見える世界が違うのだ。

それでも私は夫が好きだ。


本当に幸せな結婚生活だった。

こんな幸せをくれた事実は

この先何をされても変わらない。


私は今、人生で一番辛いけれど

それでも結婚して良かったと思っている。


適応障害はストレスから離れたら

半年以内に回復することが多い病気だ。

今、一緒にいられないのは仕方がない。


だからせめて

回復後の関係修復を待ちたい。




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