「天の岩屋」の朗読で一番大変だったのが、
本を探すことでした

飽きさせない、
退屈させない、
そのためにもある程度セリフが入って
余計な説明の少ないもの!
古事記は聞きなれない言葉が多かったり、
いろいろな神々出て来られるので、
丁寧に説明されている本がけっこうあります。
一人で読書するにはとても勉強に
なりますが、
朗読となるとそうはいきません

なかなかしっくりくるものが見つからないので、
途中あきらめて、自分で脚本を
作ろうかとも思いましたが、
そんな時間は残されていません

あきらめかけたその時、
やっと見つけた~

「松谷みよ子の本⑨伝説・神話」
がしかしっ

なんか違う~!
内容が~!
スサノウノミコトが下界へ追放されるとき
おなかがすいて
オオゲツヒメノミコトに食べるものを
くれるように頼んだ。
するとオオゲツヒメは自分の鼻や口、尻からも
いろいろな食べ物を出して、
料理してさしあげた。
するとスサノウノミコトは
「どうしてそんなものが食えるか
」と女神を切り殺してしまった

するとそのなぎがらの頭からはカイコが生まれ、
二つの目からはイネができ、
二つの耳にアワがなり、
鼻にアズキがなり、
陰(ホト)にむぎがなり、
お尻からダイズができた。
これをカミムスビの神が取り集めて
国の畑にまく種としたのであった

この部分が松谷みよ子さんの本では
オオゲツヒメノミコト → ウケモチノカミ
殺したのはスサノウノミコト
↓
殺したのはツクヨミノカミ(月の神)
ツクヨミノカミがウケモチノカミを
切り殺し、
怒り悲しんだアマテラスオオミカミが
「あなたは悪い神です。わたしはもう、
あなたの顔を見たくありません。」
といって、顔をそむけてしまった。
それから太陽と月とは、一日一夜をへだてて
住むことになったのだという。
こんな内容なのです。
オオゲツヒメノミコトとウケモチノカミは
呼び名が違うだけで、同じ神様です。
なぜこんなに内容が違うのでしょう

さては、松谷さん話を作りかえたのでは?
たくさんのお話を作られていらっしゃる方ですから~
などとも思いましたが、
その後違う本を読んで、
古事記を元にしているか、
日本書紀を元にしているか、
の違いだとわかりました。
松谷さんの本は日本書紀が元だったのです。
てな訳で、「古事記に親しもう!」という
イベントだったため、松谷さんの本が
一番朗読しやすかったのですが、
あきらめました

その次に読みやすい、福田清人さんの
「日本の神話」にすることにしました。
ところでこのオオゲツヒメノミコトの話に見られる
「死体化生型神話」は
宮崎駿映画「もののけ姫」のラストシーン
エボシ御前に首を狩られたシシ神=ディダラボッチは、
バラバラになって、森の生命をすいとりながら
襲いかかる。
その後サンとアシタカの活躍によって首を取り戻した
ディダラは、朝陽を浴びて倒れ、風となって消滅して
しまう。
ところが、この風になって降り注いだ塊から
方々に緑が芽吹き、森は再生し、タタラ場も緑で覆われる。
(「もののけ姫を読み解く」別冊コミックボックスvol.2より)
この部分にも見られます。
自国の神話を語り継がなければ、その国は滅びると
英国歴史学者がおしゃってますが、
私たちは、知らず知らず
宮崎監督のような偉大な方々によって、
その神話精神は受け継がれているのかも
しれませんね

伝説・神話 全1冊 (松谷みよ子の本)/松谷 みよ子

¥6,116
Amazon.co.jp