サントリー美術館に行ってきた。

 

 

「逸翁美術館コレクション  蕪村・呉春と茶の湯の名品」展である。

 

現・阪急阪神東宝グループの創業者である小林一三(1873~1957)の雅号「逸翁」を冠して昭和32年(1957)に大阪・池田市に設立された美術館が「逸翁美術館」である。

 

「逸翁美術館」は、なんと逸翁が一代で収集した美術品で構成されているそうだ。一代!

そのコレクションを代表する名品が出展されている。

 

古筆切、茶道具、茶道具から与謝蕪村、呉春の絵画まで見どころ満載であった。

 

**メモ**

 

重要文化財「奥の細道画巻」 与謝蕪村 二巻 安永8年(1779)

 旅立ち~那須野~須賀川~飯塚の里~壺碑の部分が展示されていた。場面替があるようなので別の展示期間にも行きたいと思った。

 

「石画賛」 与謝蕪村 一幅 江戸時代 18世紀

 蕪村自らの俳句と文字、絵が描かれている。こちらの作品、表装がとても可愛い。小花のチロリアンテープのようなものが使われていた。

 

「十二か月京風物句図巻」 呉春 一巻 江戸時代 18世紀

 呉春は与謝蕪村の弟子で、蕪村が無くなった後、円山応挙の門下に入った。こちらの作品は、かなり「ゆるい」雰囲気で、与謝蕪村の弟子だなあという感じ。こちらは後期に場面替あり。

 

「松下游鯉図」 呉春 一幅 寛政12年(1800)
「岩上孔雀図」 呉春 一幅 江戸時代 18世紀

 この2点はもとは対幅で作成されたが、離れ離れの状態になり、小林一三のもとで邂逅したそうだ。ほう。鯉も孔雀も呉春の師である円山応挙おなじみの画題。

 「松下游鯉図」の鯉は、かなり応挙の影響を感じたが、上部に描かれた松はかなり強さ、鋭さを感じた。

 「岩上孔雀図」の孔雀は、全く応挙っぽさを感じず、まるで鷲のような勇ましさを感じる孔雀だった。

 両作品全体に「エッジが効いている」ように感じた。呉春、良いねえ。

 

重要文化財「白梅図屛風」 呉春 六曲一双江戸時代 18世紀

 解説パネルによると、浅葱色に染めた糸を平織にして画面に用いたとのこと。この薄暮のような背景に小さな花をつけた梅の木が大変美しい。これはぼんやりと眺めていたい作品である。

 こちらの写真撮影コーナーが本作品の一部。

 

 

「嵐山春暁図」 円山応挙 一幅 安永9年(1780)

 左下に渡月橋、下部にぼんやりと月が映っているように見える大堰川が描かれ、上部に嵐山。松や桜が見える。上空から見下ろすように描かれた作品。全体的に淡い色調で、何やら文人画の雰囲気も漂うような…こういう作品も応挙は描くのね…と思った。

 

「黒織部菫文茶碗」 一口 桃山時代 17世紀

 

 

鉄釉で菫(解説パネルには「菫らしき花文」)が描かれている筒茶碗。

仕覆も展示されていた。

 

 

右「草花文緑ガラス小壺(茶器)」 イタリア 一口 18世紀

左「草花文ガラス壺(茶器)」 エミール・ガレ 一口 19~20世紀

下「瑠璃地金彩蓋物(香合)」 フランス セーヴル 一合1926年

 

 

右の「草花文緑ガラス小壺(茶器)」は逸翁がイタリアを訪れた際に本作品を購入し、象牙の蓋を誂えて抹茶器として用いたそうだ。ライラックの花の部分が立体的で可愛らしい。

左の「草花文ガラス壺(茶器)」 は一目見て「ガレ」と分かる草花のシルエットが浮かぶ幻想的な作品。こちらは正岡子規の叔父で政治家の加藤恒忠にお土産として逸翁に贈られたものだそうだ。お土産…。

 

そして「瑠璃地金彩蓋物(香合)」 

 

 

こちらもお土産として贈られたものだそうだ。金色の小花が大変可愛いと思った。

 

「緑地白貼人物文鉢(水指)」 イギリス ウェッジウッド 一口 20世紀

 

 

ウエッジウッドの鉢に塗蓋を誂えて水指に。何だかとっても迫力を感じた。

 

「菜花狗児図」 鈴木華邨 一幅 明治39年(1906)

 

 

鈴木華邨は菊池容斎に学んだ後、円山派のような写生を取り入れた画風を確立したそうだ。

 

 

確かに、このわんちゃんはそんな感じがする。

若き日の小林一三が後援した画家の一人だそうだ。

 

「月下兎図」 寺崎廣業 鈴木華邨 一幅 明治39~40年(1906~07)

 

 

鈴木華邨が兎、寺崎廣業が月と秋草を描いた合作だそう。

 

 

「春景富士図」 川合玉堂 一幅 昭和時代 20世紀

 

 

こちらは小林一三の故郷である山梨県側から見た富士山の姿ではないかと解説パネルに書いてあった。

 

 

しみじみと良いなあと思う作品。

 

「朱地君が代楽譜蒔絵棗 愈好斎好」 三砂良哉 一合 昭和時代 20世紀

 

 

三砂良哉は在阪の数奇者に愛好された漆芸家だそうだ。

金蒔絵で描かれている楽譜は「君が代」だそうだ。

武者小路千家12世家元の愈好斎聴松が小林一三の茶会に参加して、下の「黒地歌劇雛祭楽譜蒔絵棗」を見たことがきっかけで、三砂良哉に依頼したそうだ。ほう…。

 

「黒地歌劇雛祭楽譜蒔絵棗 逸翁好」 三砂良哉 一合 昭和8年(1933)

 

 

こちらは宝塚歌劇「雛祭」の劇中歌の楽譜が描かれているそうだ。何だか可愛い。
確かに欲しくなるかもしれない。

 

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サントリー美術館の入っている「東京ミッドタウン」にある「酢重ダイニング六角」でランチ。

 

おお、ミッドタウンガーデンの見えるお席に。

「21_21 DESIGN SIGHT」も見える。

 

 

「酢重特製ローストビーフ(冷製)醤油豆ソース添え」

 

ご飯は玄米を選択。

 

 

生憎のお天気だったが、緑を見ながらの食事は気持ちの良いものであった。