東京都美術館に行ってきた。

「上野アーティストプロジェクト2025  刺繍―針がすくいだす世界」展である。

 

 

東京都美術館のSNSで、

12/8(月)は「ゴッホ展 家族がつないだ画家の夢」が休室日で「『刺繍―針がすくいだす世界』ゆっくり・じっくりおすすめ鑑賞日」として紹介されていたので、この日を狙っていたのである!

 

 

「上野アーティストプロジェクト」とは、 東京都美術館で毎年新しいテーマで現代美術を紹介する恒例の美術展だそうだ。

今回は、布地などに針で糸を刺し、縫い重ねる手法によってかたちづくられた多彩な造形と表現に注目した展覧会。大正末から現在にいたる国内の5名の刺し手たちの活動を紹介。

 

平野利太郎(1904〜1994)

 近世以来の刺繍職人の家に生まれ、伝統的技法に基づきながら革新的な表現を追い求めたそうだ。

 

「芥子 小屏風」(二曲一隻) 1956 糸、布  157.5×76  個人蔵 


 

解説パネルによると、平野利太郎は「モチーフを写生し、図案化し、題材に合わせて糸を染め、撚り方を決め、多種多様な繍いを使い分け、時に貝や皮革などの異素材を取り入れながら、平野は、「刺繍」にしかできない新たな表現を追い求めた」とあった。

 

 

単眼鏡で拡大しながら鑑賞すると、肉眼では見えない美しさが分かる。

なるほど、糸を染めて、撚り方までこだわって、かつ様々な技法を駆使して作品をつくり上げているのが分かる。

 

「サボテン」 1955 糸、布 214×122 町田市立博物館蔵 

 

 

全体を見ても美しいのだが、どうしても細かい表現が見たくなる。

 

 

ひやあ…。

 

尾上雅野 (1921〜2002)

 図書館の手芸コーナーで何冊も尾上雅野氏の刺繍の書籍を見かける。大変有名な刺繍作家でいらっしゃるが作品自体を見るのは初めて。

 解説パネルによると「従来の刺繍の細やかで静的なステッチにもの足りなさを感じた尾上は、絵具で絵を描くように、麻地の大画面に羊毛の毛糸を大胆に刺して風景や人物などを表す「フリーステッチ」を考案した」とのこと。

 確かに展示作品は、どれも大型で、針と糸で描いた絵画、という感じだった。

 

「秋」 1974 毛糸、麻布 127×207 公益財団法人日本手芸普及協会蔵 
 

 

まさに今の季節を描いたもの。

 

 

細部を見ると、確かにダイナミック。印象派っぽい?

 

「クローバー畑の白いネコ達」 

毛糸、麻布  112×190 公益財団法人日本手芸普及協会蔵 
 

 

これは可愛い!

 

 

岡田美佳(1969〜)

 解説パネルによると、刺繍技術の習得はほぼ独学とのことであった。

 「糸と布以外にも、絵具で陰影や柄などを描くほか、輝きや光沢、透明感の表出にも心が配られ、ここにはビーズやマニキュアなどの素材が選ばれることもある」とあった。

 

「プールが見える窓 」 1993 糸、ビーズ、布ほか 25×18.5 個人蔵 
 

 

様々な素材を用い、ステッチも多様で味がある。

 

 

「お集まりの午後(おしゃべりな午後)」 

1996 糸、ビーズ、布ほか 26.5×37 個人蔵 

 

 

「おやつですよ」 1996 糸、ビーズ、布ほか 26×33.5 個人蔵 
 

 

木や草の表現も素敵である。

 

 

「丘にのぼれば」 1997 糸、ビーズ、布ほか 28.5×45 個人蔵 
 

 

「小鳥が来た日 」 1998 糸、ビーズ、布ほか 24×29.5 作家蔵 
 

 

 窓の外は寒そうな雪景色。それを見ながら、暖かい室内で紅茶など飲みながら刺繍すると楽しそうである。

 

「かたくりの道」 2010 糸、布ほか 33×44 武田和久蔵

 

 

このあたりの表現も素敵。

 

 

(つづく)