SOMPO美術館に行ってきた。

 

 

「モーリス・ユトリロ展」である。

 

 

ユトリロの様式展開を緩やかな年代順に沿ってたどる展覧会とのこと。

 

「モンマニー時代」

 

ユトリロは、印象派のピサロやシスレーの影響のもと、住んでいたモンマニーの風景を描くことから画家として出発したそうだ。

 

モンマニーの3本の通り(ヴァル=ドワーズ県) 

1908年頃 油彩・カンヴァス 八木ファインアート・コレクション

 

 

「白の時代」

 

パリの街並みに目を向け、漆喰でできた壁の質感を巧みに表現した時代だそうだ。

 

セルネーの城の入り口、サノワのマジャンディ通り(ヴァル=ドワーズ県) 

1913年 油彩・カンヴァス 八木ファインアート・コレクション

 

 

ラパン・アジル   1910年 油彩・カンヴァス 

パリ・ポンピドゥセンター/国立近代美術館・産業創造センター

 

 

ここに描かれたキャバレー「ラパン・アジル」は、ユトリロが繰り返し描いたモチーフの一つで、なんとその数は300点を超えると言われているらしい。

しかも絵葉書をもとにして制作されているらしい。え、絵葉書?!びっくり。

本展覧会では合計3作品展示されており、並べてあると違いが興味深かった。

 

緑の屋根の農家 1913年 油彩・カンヴァス 八木ファインアート・コレクション

 

 

サノワのマジャンディ通り(ヴァル=ドワーズ県) 

1912-14年頃 油彩・カンヴァス 八木ファインアート・コレクション

 

 

「可愛い聖体拝受者」、トルシー=アン=ヴァロワの教会(エヌ県)

1912年頃 油彩・カンヴァス 八木ファインアート・コレクション

 

 

ベル・ガブリエルの酒場、サン・ヴァンサン通り、モンマルトル 

1916年頃 油彩・パネル 個人蔵

 

 

郊外の教会 1920年頃 油彩・カンヴァス

パリ・ポンピドゥセンター/国立近代美術館・産業創造センター

 

 

この作品が描かれた1920年は、ユトリロにとって「色彩の時代」へと至る「第二過渡期」であり、「豊穣な緑の時代」として徴づけられるそうだ。

 

「色彩の時代」

 

街並みの写真を参照しながら、定規やコンパスを使って下書きをし、彩度の高い色彩を選び制作をすすめた時代だそうだ。

 

シャラント県アングレム、サン=ピエール大聖堂 

1935年 油彩・カンヴァス 公益財団法人ひろしま美術館

 

 

マルヌ川から望む大聖堂と市役所、モー(セーヌ=エ=マルヌ県)
1920年頃 油彩・カンヴァス 個人蔵

 

 

アトリエ座    1926年 水彩、グワッシュ・紙 

パリ・ポンピドゥセンター/国立近代美術館・産業創造センター

 

 

モンマルトルの眺め    1926年 グワッシュで彩色されたリトグラフ・紙
パリ・ポンピドゥセンター/国立近代美術館・産業創造センター
 

 

雪景色を描いた作品はどれも魅力的だった。

 

雪のサン=リュスティック通り、モンマルトル 1933年頃 油彩・厚紙 個人蔵

 

 

サン=ヴァンサン通り、雪のラパン・アジル、モンマルトル

1936-38年頃 グワッシュ・紙 個人蔵(協力:翠波画廊)

 

 

この作品にとても惹かれた。

 

雪のヴェジネ、聖ポリーヌ教会 1938年 グワッシュ・紙 個人蔵

 

 

これも良い!!

解説パネルに「グァッシュで描かれることによって油彩とは異なる軽やかな仕上がりの印象で、雪の白さがより一層強調される」とあり、なるほど!

 

この他、撮影不可であったが大変魅力的でメモ。

 

マジック=シティ 芸術家友の会の夜会 1925年頃 リトグラフ・紙 西山美術館

 人々が建物に入っていく様子を後ろから描いた、大きなポスターの作品。

 

物見櫓のある塔 1913年頃 油彩・カンヴァス ポーラ美術館

 円錐の屋根を持つ物見櫓のくっついた円柱の塔が中央に描かれ、手前に木々、白い塀が描かれている。塔の最上階が淡いピンク、物見櫓の屋根がとても薄い緑色で描かれていて素敵だった。(ポーラ美術館Webサイトに画像あり)

 

私の中で、ユトリロとは「白の時代」の作品のイメージが強く、

グアッシュ(不透明な水彩絵具)の作品を見て、

「え、これユトリロ?!」と驚いた。

いやあ、とても良かった。訪れて良かったと思う。

 

 

そしてSOMPO美術館といえば、これでしょう。

 

ひまわり    フィンセント・ファン・ゴッホ 

1888年 油彩・カンヴァス  SOMPO美術館