読了。

NHK大河ドラマ「光る君へ」は終わってしまったが、このドラマをきっかけに様々な図書を読んだ。

 

本書もドラマの最終回で「源氏物語」に強く憧れている、ちぐさ(菅原孝標女)が登場したことで読んでみたくなった。

やはり、現代語訳。

 

更級日記  訳)江國香織

 

「更級日記」は平安時代の女流日記文学の一つとして「古文」の教科書や副読本に書いてあったな、くらいの知識しかなかった。

 

著者の菅原孝標女の伯母は、「蜻蛉日記」の藤原道綱母。

ドラマ「光る君へ」では財前直見氏が演じていた、あの…

「蜻蛉日記」は杉本苑子氏の「私家版 かげろふ日記」を読んでいる。

 

本書の「全集版あとがき」「文庫本版あとがき」に、

「更級日記」には章立てはなかったが、現代語訳では章立てをした旨書かれていた。

 

「旅」(父の任期終了による上総から京への引っ越しの旅)

「娘としての京での生活」

「宮仕え、結婚」

「神仏参り」

「老境」

である。これは分かりやすかった。

 

「更級日記」は、日記とはいえ日々の記録でなはく回想録であり、家の歌集である家集的性質も備えていると書かれてあった。

 

「娘としての京での生活」の章で書かれていた霊山寺参拝の折の歌のやり取りのエピソードがなんとも良かった。(太字部分は本書からの引用)

 

霊山寺への険しい山道の途中にある山寺で湧き水を飲んでいると、

 

「ここの水はいくら飲んでも飲み飽きませんね」と、相手と別れ難いときの定番のセリフを言う人がいた。

 

すくって飲む 山奥の湧き水は飽きないと そんなことにいまごろ気づいたのですか

(奥山の石間の水をむすびあげてあかぬものとは今のみや知る)

 

と詠んでこたえると、一緒に水を飲んでいたその人は、こうこたえた。

 

しずくに濁ると 古歌に詠まれたその水よりも いまここで あなたと飲む水の方がもっと飽きない と言っているのです私は

(山の井のしづくに濁る水よりもこはなほあかぬここちこそすれ)

 

この後、菅原孝標女が帰宅した翌朝、「しずくに濁る」と読んだ人から歌が送られてきて、ロマンスが発生するかと思いきや…特に記述はなかった。

 

それにしても、なんとお洒落であか抜けて洗練された歌のやり取りなんだろう。

平安時代の男女はこのように歌で交流していたのだと思うと感動してしまう。

 

この他にも歌を通した素敵なエピソードがいくつか書かれていた。

和歌は難しいものと敬遠していたが、いや、なかなか素敵(現代語訳のある場合に限るが)。

 

また、「旅」の章を始めとして、多くのところで宿について書かれていた。

平安時代の宿とは…

 

「急ごしらえの仮小屋」「急ごしらえの粗末な小屋」「仮小屋を造ってもらい、そこで何日か過ごす」「宿にする小屋を大きな柿の木の下に造った」「近江の国のおきながという人の家に泊めてもらった」、京に行って留守の「ひどくみすぼらしい、貧乏人の小さな家」「山辺という土地にあるお寺」「草木を編んで、野原に間に合わせの庵を造り」

 

宿泊施設には泊まっておらず、小屋を造ったり(これは大工仕事ができる人を同行させていたのか?それともその土地の人に造ってもらったのか?)、人の家に泊まらせてもらったり、お寺に泊まったりしていることが分かる。

 

平安時代の宿泊施設については、考えたこともなかったので驚いた。

菅原孝標女は中流貴族であるので、このように宿泊を確保できただろうが、一般の人々が泊まれるところは恐らくなかったのかも知れない。そもそも一般の人は旅行や移動をしなかったのかも・・・。

 

漫画で紹介するこのシリーズの「更級日記」も読みたい。

 

 

 

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「美濃忠」の羊羹、パッケージが素敵。

 

 

「干支羊羹 巳年 令和七年」

 

 

金粉が入っていておめでたい感じ。

 

 

私は美濃忠の竿物が大好きである。

よく見ると3層になっている。