大倉集古館に行ってきた。
「特別展 畠中光享コレクション 恋し、こがれたインドの染織-世界にはばたいた布たち-」展である。
インドの布、というと「インド更紗」が思い浮かぶ。
本展覧会は、更紗をはじめとする捺染布、綴織のカシミールショール、宮廷や寺院で使われた金銀糸織、絞り染めのターバン、木綿モスリンなど様々な布が展示されていた。
こちらは展覧会チラシの一部。
大変勉強になることが多く、多くの解説パネルをメモさせていただいた。
太字部分は解説パネルからのメモである。
一番最初に、ラジャスタン州(インド)のターバンがたくさん展示されており、絞り染めの技法のものが目を引いた。
一部の絞り染めは日本の絞り染めの雰囲気とそっくりなデザイン。
解説パネルに書かれた技法は、ひと目絞り染、巻き上げ絞り染、縫い締め絞り染などと書かれてあった。
わくわくと展示を見ていく。
ショール カシミール(インド) 綾地綴織/羊毛 19世紀中期
上のチラシの右上の写真がカシミールショールである。
「カシミールショールは、カシミア山羊の毛で作った糸を染め、その色糸を巻き付けた木管をつかって綴織で模様を織り出したものです。1枚作るのに3年はかかるもので、非常に高価でした。」
カシミールショールの裏側も展示されていた。
老眼の私がざっとみたところ、最初は裏側とは気づかず、こちらは少し派手目の模様なのか?といった印象だった。老眼鏡をかけて見てみて、「あ、これは裏」と分かったくらい裏側もきれいに仕上げてあった。さすが綴織。素晴らしい技術である。
倣カシミールショール イギリス 銅版プリント/絹 19世紀中期
ヨーロッパでインドの木版捺染布を模倣するにあたり、
まずは木版技法が使われ、
次にヨーロッパ伝統の銅版捺染機が用いられ、
その次に、筒状のローラー銅版捺染機でカシミールショールの模倣品を作ったそうだ。
こちらはシルクで作れている。
そして、ペイズリー模様という名前の由来についての説明がされていた。
読んで驚いた。
「スコットランドのペイズリーの町で多くの模造カシミールショールが織られたことに由来」だそうだ。
てっきり、あの勾玉のような形をペイズリーというのだと思っていたのだ…地名だったとは。
布地 ウッタル・ウッタル・プラデッシュ州、ラクノウ(インド) チカン刺繍/木綿モスリン、木綿糸 19世紀後期
白地のごく薄いモスリン布に白い刺繍がされて、うっとりするほど美しい。
「200番から300番という極細の糸で織られたモスリンは「風の布」と呼ばれ17世紀後半よりインドからヨーロッパに輸出され珍重されました」
これって「番手」のことだろう…な。
番手だと普通のミシン糸が50番、60番くらいで、数字が大きいほど細いので…非常に細いことが分かる。
調べてみると、高級なシャツだと200番手の糸を使った布が使われているようだ。ほう…。
そして、このモスリン布に施されている刺繍は、「チカンと呼ばれる細かい手刺繍」だそう。ほう…。
倣カシミールショール イギリス ジャガード織/羊毛 19世紀後期
解説パネルを読んで、またもやびっくり。
「ヨーロッパでつくられた羊毛のショール。インドのカシミールショールの模倣品です。これらはフランス人ジャカールが発明した自動織機で織られた品」
「ジャガード織」の「ジャガード」は、ジャカールさんの名前が由来だったのだ。
こちらのジャガード織のショールも裏側の展示があり、インドのカシミールショールの裏側との比較が勧められていたため、色々気になったため、私は3回も往復して(展示箇所が離れていた)しまった。
ジャンガード織のショール表面は非常に細かく美しい、しかし裏面は遠目でも裏というのが分かった。
比較すると、インドのカシミールショールの裏面は非常に細かく巧みに処理されていることが分かった。さすが手織り。
布地 ラジャスタン州、サンガネール(インド) 木版捺染、媒染、防染/木綿
19世紀後半
この辺りは、私のイメージだと「インド更紗」という捺染の布である。
解説パネルに「絹織物は中国が優れた技術を持っていましたが、木綿織物はインドの独壇場でした」。
確かに、とても美しかった。
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大倉集古館のミュージアムショップの品ぞろえはとても素敵で、熊本県天草市の「天草更紗 野のや」の製品が気になった。
又、図書のセレクトも素敵。特に気になったのがこれである。
世界のかわいい刺繍 (編集)成文堂新光社

