読了。
津村記久子氏の短編集である。
8つの物語が収録されており、それぞれ全く違う雰囲気で、楽しめた。
現代生活独習ノート (著)津村記久子
付箋を貼った部分(太字は本書からの引用である)。
「レコーダー定置網漁」
主人公はリフレッシュ休暇中の女性で、録りためていたテレビ番組を見ていた。
『自炊ヘルパー』という料理番組で紹介されていた「フライパン焼き鳥」が、何だか美味しそうであった。
材料は鶏もも肉とネギ。
ネギと肉を適当に切り、フライパンで適当に焼き、焼けてきたら、醤油、砂糖、料理酒で調味するという全行程で15分もかからないもの。
主人公は疲労のため、料理をする気が起こらなかったようだが、この料理番組を見て、1 か月ぶりくらいにやる気になったとのことだった。
鶏もも肉とネギ(白ネギだろう)、醤油、砂糖、料理酒。これは美味しいだろう。
「台所の停戦」
主人公の娘が、「ケストナーの『点子ちゃんとアントン』を久しぶりに読み返して、アントンの作る塩ジャガイモなるものを食べてみたくなった」と、粉ふきいもを作るシーンがあった。
津村記久子氏のエッセイ集『まぬけなこよみ』にもこの「塩ジャガイモ」について書かれており、やっぱり、『点子ちゃんとアントン』は読まなくてはならないと思った。
「現代生活手帳」
これは近未来小説だろうと思われる。
主人公の使っているテーブルは、こすることにより様々な機能がオンになる。
例えば、時間を示す、温かくなる、冷蔵庫と冷凍庫に入っている食材リストが表示される、天井と壁が発光する。
「総合的な生活端末」と説明されていたが、「Amazon Alexa」のようなものだろうか。それがテーブル・・・、何ともユニークな。
主人公の住む区は毎年、『現代生活手帳』という冊子を発行しており、これは「昔あったタウンページと通販カタログを併せたような内容で、生活を便利にするさまざまなサービスや商品が厳選のうえ掲載されている」という冊子である。
主人公はここに掲載されている「執事」というティーサーバーを買おうかどうか悩んでいる。
また、配送業者を人かロバかを選べる!これは良い!!
物だけではなく、サービスも掲載されており、
「登録すると、自分が通る時間帯に在宅している家の多い道路を教えてくれる。その代わりに、自分の家の前を誰かが通るということを知った場合は、玄関と一階の電灯を点ける義務がある」というサービスは良いと思った。