読了!
葛飾北斎の娘である葛飾応為が主人公の小説。
本作品の表紙にも使われている応為の『吉原格子先の図』は、昨年の1月に太田記念美術館「肉筆浮世絵名品展 -歌麿・北斎・応為」で見ている。
ネットなどで見ていたものは迫力があったので、実物が思っていたより小ぶりな絵で驚いた。とても色彩が美しく、落ち着いた雰囲気で、ずっと眺めていたかった記憶がある。
本作品でも、応為が色彩に拘る様子が描かれていた。
眩 (くらら) (著)朝井まかて
数年前くらいに、応為が主人公で宮崎あおいさんが演じていたドラマがNHKで放映されていたのは知っていた。本作品が原作だったのか。
新潮社サイトに掲載のインタビューによると、執筆前の準備としては、「北斎と応為の人生、時代の出来事をひとつの年表にして、あとはもう自分なりの想像、推察で再構築していきました」とある。ふうむ。なるほど。
本作品で、応為が絵の具を作ったり、絹地に下処理をしたりするシーンが描かれており、この点では細かな取材が必要だったのではと思う。同インタビューで日本画家、研究者に問合せたことなど答えていらっしゃった。
例えば胡粉の空摺りのシーン。以下、太字は本書からの引用。、
雪の冨士を描くための白であるので、鉢から微かな煙が立つほど細かくするつもりだ。指で摘まんでみてチリっと指の腹に粉が当たるようでは、まだ摺りが足りない。
このような拘りを持って準備するのか!
又、江戸の風俗についての記述にも魅力的なものが。
1月24日、25日に亀戸天神で「鷽(うそ)替え」という神事があり、それは、「木彫りの鳥に黒と緑青、丹で彩色したものを社頭の店で買い求め、見ず知らずの者同士がそれを交換し合うのである」とある。
袖の中に鷽を隠しておいて、「替えましょ、替えましょ」と唱えながらお互いの袖から取るらしい。
それで、「その日までに起きた厭なこと、やるせないことをすべて嘘にしてしまおう。凶を吉に取り替えちまおう」ということらしい。
ほう!こんな神事が。
亀戸天神の公式サイトでも紹介されている。
現在では、神事の参加者同士が交換するのではなく、古いものを神社に納め、新しいものと取り替えるようである。
現在の木彫りの鷽の写真も掲載されており、ほう・・・これが・・・。
いつか、亀戸天神の「うそ替え神事」のときに参拝したいものだ。
***********
参拝といえば、本日、所用のため自由が丘に行った。
時間より早く着いたので、熊野神社を参拝。
神社を訪れるだけで、なんだかスッキリとした気分になる。
