読了。

 

本書の著者・森下典子氏の「日日是好日」を読んで、著者が長く茶道をされてことを知り、大変気になっていた。

そして、本書は、昨年「日日是好日」が映画化され、その公開に合わせて出版された「続編」のようだ。

 

好日日記 季節のように生きる  (著)森下典子

 

本書は、二十四節気に合わせて、その時のお茶のお稽古の様子などが書かれている。

 

「啓蟄 (3月6日頃)」の章に、次のような文章があった。(太字は本書からの引用)

 

 この季節、先生がよく出してくれた干菓子がある。板状の落雁で、目が覚めるような鮮やかな黄色だ。その黄色の板のあちこちに、点々と小さな白いものが見える。よく目を凝らすと、それは、お茶のあられで、小さなポップコーンのように爆ぜている。

「松江のお菓子で、『菜種の里』というのよ」

 

ん?この名前に聞き覚えがある。

 

 

ずいぶん前に家族がお土産で買ってきてくれた。

松江藩主であり、茶人でもある松平不昧公好み、とのこと。

不昧公の名は、茶道具の展覧会の解説パネルでよく見かける

 

 

これの右端が「菜種の里」である。

 

そして、本書には、著者のイラストも掲載されている。

「穀雨 (4月20日頃)」の章のイラストは、「春草花蒔絵 竹平棗」。

タンポポなど様々な草花が描かれており、大変楽しそうな棗である。

巻末に作者が「黒田正玄」とあった。

このほか、魅力的な茶器や、茶花などのイラストがあり、これは著者が通った「武田先生」のお稽古で使われたものだろう。

 

良いなあ。こんな素敵なお道具を使ってお稽古したいものだ。

お稽古では、お茶を学べるだけではない。

 

「武田先生」が、高齢のお母様を亡くされて、お稽古を休んでいたお弟子さんが久々に復帰したときに、

 

「だんだんとお寂しいことでしょうけれど、これも順番ですのでね・・・・・・。どうぞお上手にお過ごしください」

さらりとした言葉の中に、高齢の親を見送った人への、お悔やみの気持ちと優しさを感じた。年季の入った大人の挨拶を垣間見た気がした。

 

なるほど、「お上手にお過ごしください」か。