台湾をルーツに持ち、日本で暮らす在日台湾人「タイワニーズ」10名について書かれた本。

 

タイワニーズ-故郷喪失者の物語-  (著)野嶋剛

 

以前、蓮舫氏の「二重国籍問題」話題になっていたのが、その蓮舫氏についても書かれていた。

又、「流」の東山彰良氏についても。

 

どの内容も興味深かったが、陳舜臣氏について特に興味を持った。

 

 陳舜臣氏は、神戸で1924年に生まれたとされるが「日本に行く船の中で生まれたかもしれない」らしい。日本で育ち、大阪外大インド語専攻に進学、1年下に司馬遼太郎(モンゴル語専攻だったようだ)がいたそうだ。

 司馬遼太郎氏の『街道をゆく 台湾紀行』、『街道をゆく 中国・閩のみち』に陳舜臣氏が登場していたり、関わっていたりしたそうだ。

 うーん。これも読みたいなあ。

 

 第二次世界大戦終結の1945年に「運命の岐路」があったそうだ。

 研究者を志していたが、国立大学で教えるには任官手続きが必要で、当時外国人は国家公務員になれなかった。陳舜臣氏は日本人として生まれて育ったが、日本の台湾放棄により「中国人」となったため、研究者の道が閉ざされたそうだ。

 

 そして、台湾に戻り、中学で英語を教えていたが3年で去る。元教え子によると、2.28事件が原因ではないかとのこと。

 

 その後、実家の手伝いをしながら物書きの修業をして、作家へ。

 

 直木賞受賞の「青玉獅子香炉」に国民党の腐敗などを描いたため、1960年代の時点では中華民国の国籍を所有していたが、ブラックリストに掲載され、台湾渡航ができない状態になり、1972年の日中国交樹立の後、一家で中華人民共和国の国籍を取得したそうだ。

 

 それで終わりかと思ったら、1989年の天安門事件で、記者会見を行って中国政府を批判し、国籍を放棄、日本に帰化する。しかし、台湾の中華民国の国籍は保持していたらしい。二重国籍だったらしい。

 

 うーん。知らなかった。