ちょっと前に読了。

 

彼女に関する十二章  著)中島京子

 

主人公は、恐らく私と同い年の設定。

かなり親近感が湧き、感情投入しつつ読んだ。

 

主人公・聖子は、夫から勧められ、60年前のベストセラー、伊藤整の「女性に関する十二章」を読み始める。

 

(中略)聖子をいらいらさせたのは、この作家が「女」と呼んでいる範疇には、まるで「中年女性」という存在が入っていないことだった。

 

なるほどー。60年前だったら、そうかも知れない。

20年くらい前に読んだエッセイに「男性から見て女性は、お母さんと女の子の2種類しかない」といったことが書いてあった。男性にとって、身の回りの世話をこまめにしてくれる「お母さん」と、可愛がる対象の「女の子」の2種類しかない、つまり対等の存在である大人の女性は存在しない・・・といった内容で、かなり憤慨して読んだ記憶がある。

 

こんな部分も・・・

 

いまや聖子にとってファッションを選ぶときのいちばんの関心事は「健康」にあるのであって、いかに身体を守りながらおしゃれを実践するかが重要なのである。

 

これには共感。具体的にはこんなふう。

 

座骨神経痛を劇的に改善してくれたMBTという運動靴は生涯の友となったし、紫外線による白髪やシミ対策のUVケア帽子、強烈な冷えを防ぐためのショールの存在など、中年女性のファッションは身体を守るための武器なのだ。

 

私も靴については、「幅狭足」なのでかなり気を遣って選んでいるし、ショールも夏用の麻のもの、春・秋の綿のもの、冬用は各種色々取り揃えている。

 

主人公・聖子とその夫・守とは、大学の同級生だった、ということで会話も面白い。

ある日、夫・守が「金色夜叉」の文庫本を持ってきて、熱海の海岸にある、貫一がお宮を蹴り飛ばす銅像の部分の場面を朗読し出す。

それに対する主人公と夫の会話が面白い。

 

「ドメスティック・バイオレンスですか?しかも『ちええ』って、なによ、『ちええ』って」

 

「だって書いてあるんだから。他に読みようがないだろ。『チェッ』かなあ。いや、やっぱり『ちええ』って、こう、鼻の頭に力を入れて言うんじゃないかな。『ちええ』」

 

とまあ、良い感じに対等に会話を繰り広げているのである。

この物語では、平和で幸せそうな主人公の日常が描かれている。平凡そうに見える日であっても、ありそうでなさそう、なさそうでありそうな小さな事件が起こる。

 

いやあ、楽しく読めた。

 

************

ずっと前から、気になっていた「菊水堂のポテトチップス」。

東京駅のエキナカで見つけた!

原料が、じゃがいも、塩、植物油の3つだけ、ということで、家庭で大事に揚げられたポテトチップという味だった。食べると化学調味料が入っていないことが分かる味。

じんわりと、じゃがいも本来の味が楽しめる。

沢山食べられるので、あらかじめ分量を決めてお皿に入れて食べないと、ずるずる食べ進めてしまって危険かも。