安倍外交かく戦えり | 真面目に脱線話@リンガランド英語塾

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第二次安倍政権が成立してしばらく経って、「安倍晋三首相のみごとな外交戦略」という記事を書いた。そこでは、安倍首相が中国包囲網と対米融和で日本と敵対する中国と韓国の分断を進め、最終的には中国と韓国との関係修復をはかろうとしていると述べた。



ただし、この記事は某巨大掲示板で叩かれたようだ(あとで「まとめサイト」で見た。どうやら、「韓国に甘いことがみごとわけがない!」と嫌韓派と安倍嫌いの方たちにお気に召さなかったようである)。



韓国との外交戦の「勝負」が見えてきたので、ここまでの評価として独断に基づいて、対韓国に絞って自分なりにいちど総括しておきたい。



さて、韓国大統領の朴槿恵大統領が反日路線を突き進んで、日本における反韓国的な雰囲気はほとんど「定着した」に近いものになった。ツイッターでも韓国に厳しいコメントを出すと同意者が多く、数多くリツイートされてしまったりすることが少なくない。韓国の反日活動をまるで笑えるエンターテイメントのように取り上げる風潮すらあるほどだ。



現在、日韓関係の悪化に焦っているのはむしろアメリカである。拡大路線をつっぱしっている中国を抑えるには日米韓の連携が重要だからであるが、朴大統領の渡米を機会に、韓国に歩み寄りを提言し、なんとか両国の関係改善をはかっているようだ。




朴大統領も最初から反日路線を突き進んでいたわけではない。日本国内の親韓派に気を遣って、あくまで「反安倍政権」に絞っていた。それがうまくいかずに、いつしか「反日」に移ってしまって、身動きがとれなくなったのではないだろうか。



朴大統領としては、円安をもたらずアベノミクスは絶対に阻止しなければならないものだった。なぜなら、韓国の産業構造は日本とそっくりで、輸出製品が日本と競合するからである。円高・ウォン安なら韓国製品の競争力が高まり、日本製品の市場を奪うことができるが、逆なら奪われることになる。



だから、アベノミクスは韓国経済にとっては「敵」であり、最初に殲滅すべき攻撃対象になりえた。



韓国の産業構造が日本と似ているのは当然で、もともと戦後の韓国経済は日本の技術援助と経済援助によって開花したものだからである。韓国企業は日本企業をロールモデルに経済発展を遂げ、ウォン安による競争力や生産性の向上によって、日本製品を席巻していった。



だが、アベノミクスによって日本の逆襲が始まる。




朴大統領がアベノミクスを阻止しようと思えば方法は2つしかない。



1つは安倍首相と仲良くして、韓国に対して最大限に便宜をはかってもらうことである。もう1つは安倍政権に失態を演じさせて、日本の反安倍や新韓派を勢いづかせ、安倍政権を崩壊させることである。



朴大統領が選んだのは後者だった。アベノミクスと共存するのではなく、アベノミクスを政権ごと殲滅するという道である。





なぜ後者を選んだかは推測するしかないが、1つには朴大統領には反日的な思想がもともとあったことだろう。父親が親日派の大統領だったとはいえ、戦後生まれで反日教育の中で育ったのであれば、それはごく自然なことだろう。



もう1つはいわゆる「慰安婦問題」でアメリカや、朝日新聞などの反自民党・親韓国のメディアを巻き込んで、安倍首相を孤立させる自信があったからだろう。



なぜ自信が持てたかと言えば、おそらく第一次安倍政権のもろさを目のあたりにしていたからだろう。人気が衰えなかった小泉首相に比べると安倍首相はカリスマがなく、失態を演じさせてマスコミを反安倍一色にすれば、簡単に政権は崩壊して、韓国経済を崩壊させかねないアベノミクスを阻止できると考えたにちがいない。



その第一弾として朴大統領が仕掛けたのが、2013年の大統領就任直後の麻生太郎氏との会談である。朴大統領は歴史問題に言及して「双方に違った見方があるのが当たり前」という麻生氏の言質をとり、「いわゆる慰安婦問題が日韓両国で問題として共有されている」という建前を崩すものとして、これを徹底的に批判する。



これを口火に韓国メディアの安倍政権バッシングが開始され、日本の反自民党メディアも麻生氏を批判した。



おそらくこれまでの首相であればここで「勝負あり」だっただろう。第一次政権のときの安倍首相であっても同様だったはずだ。ところが、今回の安倍首相はこれまでにない画期的な方法でこれに対抗する。



「無視」である。



安倍首相からは歩み寄らないと同時に、「対話の門戸は開いている」と言って日本側は交渉はウエルカムであるということを示す。



「無視」という選択肢を予想していなかった朴大統領はこれに面食らうが、代わりに「謝罪すれば対話する」という条件を突きつける。安倍首相はこれにも画期的な方法で対抗する。



もちろん「無視」である。



そこで、朴首相はいわゆる慰安婦問題を世界中に認知させることで安倍政権を追いつめて、ギブアップさせることをもくろむ。いわゆる「告げ口外交」である。



まず女性の権利に意識の高いオバマ大統領に働きかけて議会で演説することに成功、具体名は挙げないものの、日本を歴史修正主義であると批判したのを皮切りに、「就任祝い」という武器で諸国と外交を重ねて日本を徹底的に批判していった。それが功を奏し、安倍首相は各国の批判を受けるようなる。



ところが、朴大統領にとって計算外のことが起こる。それは安倍首相が全く反応を示さなかったことである。しかも、それまでの韓国への消極的な融和すらも止めて、あろうことか靖国参拝まで断行する。



中国も日本批判=韓国のサポートを開始するが、批判の和はさほど拡がらず、中国が東シナ海や南シナ海で露骨な領土拡張を見せ始めると、むしろ包囲網を固めつつあった安倍首相へのシンパシーが強まった。





ただし、その裏では血みどろの戦いが繰り広げられていた。もちろん、対朝日新聞との戦いである。



安倍首相は、朝日誤報のきっかけをつくった吉田清次を「詐欺師」と呼び、「従軍慰安婦」を捏造した朝日を公式に批判。産経新聞などがアンチキャンペーンを始めると、朝日側は抗議文を各社に送付するなどで対抗したが、ついに屈し、誤報を発表するに至る。朴大統領の反日外交が瓦解した瞬間だった。



朴大統領の反日活動プロパガンダは最終的に安倍政権に打撃を与えられなかったが、少なくとも国内をまとめるのには役立っていた。だが、韓国経済が立ち行かなくなると反日に終始する方針に国内からも疑問が呈されるようになって、国内世論すら盛り上がらなくなっていく。



安倍首相の外交戦での完全勝利が決まったのは、4月29日のアメリカ議会演説である。



安倍首相には「大物殺し」な側面があるようで、オバマ大統領に絶大な影響力を持つキャロライン・ケネディ駐日大使や、アメリカ議会で絶大な人望を持つ共和党のマケイン上院議員を味方につけて、中韓の妨害工作を払いのけてアメリカ議会での演説を実現し、最後はスタンディングオベーションまで勝ちとってしまう。



ここで、朴大統領の「反日外交」に完全勝利を果たす。



ただし、本当のゴールはこれからである。いつまでも「戦勝国と敗戦国」「被害者と加害者」の立場でいることで、ウインウインの関係が築けるはずがない。いくら謝罪しても無駄だとわかっているのに、謝罪を繰り返させてきたこれまでの対中韓外交を本当に清算し、対等の立場で友好関係を築けるかどうかが試されてくる。



私が現在の安倍首相の態度で、第一次政権のときと変わったと感じるのは、とにかく焦らないでじっくり取り組むという点である。仕掛けられても動かず、やるべきことを着々とこなしている。



安倍首相は生来「書生さん」みたいな性格で、曲がったことは大嫌いだがけなされたら倍にして返してしまうといった、このレベルの政治家にしては青臭いところがある。また実際、それで議会運営をよく失敗しているのだが、こと外交においては、習近平主席に無礼な振る舞いをされても意に介さず、冷徹な側面を見せている。





もちろん課題はいまだに山積みで、問題はいくつも抱えてはいるが、少なくともそれに本気で取り組んでなんとかしてやろうという強い意志がある。それだけでも日本にとっては希有な政権ではないだろうか。



前回の失敗を反省して、今回は命がけやろうとしている迫力を感じる。政治信条に賛否はあるが、いずれにしても政治家のしかるべき態度としては正しいと思う。



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