本当は怖いbe動詞 | 真面目に脱線話@リンガランド英語塾

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英語や芸能など、思いついたことを適当に書いていくという、そういうブログです。

少し前に「be動詞の落とし穴」というタイトルで記事を書いたところ、思いのほか反響があり、個人的にもメッセージやコメントをいくつもいただいた(感謝!)。



そこで書いたのは、be動詞には2つの意味があり、イコールの意味のときに日本語の「あなたは○○だ」といった感覚でYou are ○○.と言うと、決めつけた感じで言い過ぎに思われることがあるので、できれば避けたほうがいいといったことである。



いただいたコメントはほとんど好意的だったのだが、1つだけいくぶん激しい反論があった。それは次のような内容だった。



私が書いた「I am Japanese.のbe動詞はイコール、I am in a restaurant.のbe動詞は「ある、いる」の意味だが、後者でI=in a restaurantと考えるとあとで支障が出るので、ちゃんと区別したほうがよい」という内容に対して、「そんなに文法にこだわるから、日本人はいつまでたっても発信型の英語ができない」といった趣旨だった。



こういった方は「英語学習に文法は不要」と考えていて、その大きな見地から、私が書くような「細々とした記述」が気に入らないのではないだろうか。そういった文法不要論が「信念」になっていて、文法的な説明に対して嫌悪感がほとんど自動的に起こるのではないかと推測する。



こういった場合、再度自分の考えを説明しても、生産性のない水掛け論になるのは経験的に多いので、反応しないことにしている。



ただ、「be動詞の意味を区別しないと、あとで支障が出ます」に対して、「それはどんな支障か」という疑問が出るのは当然だろう。



ぞこで今回はその点を中心に、すこし付け足すことにしたい。





さて、「間違い例」として出した、I am in a restaurant.のbe動詞をイコールとして、I=in a restaurantと考えることは、確かにここだけではさほど問題があると思えないかもしれない。



日本語で考えれば、「私」は「レストランの中」で、そんなにおかしいとは思えないことは理解できる。



そこで、この何が問題なのかを見るために、この誤解の典型例を挙げよう。



それは、高校生がよく間違える英作文問題「ここはどこですか」の英訳である。いや、高校生だけでなく、大人でも間違う人が多い。



これを多くの人が、Where is here?とやってしまう。



たしかにWhereは「どこ」という疑問詞だから、「ここ」=「どこ?」でよさそうに思える。



また、海外で道に迷って地図を広げて、Where is here?と言ったら、相手は察して答えてくれるはずだ。「通じる」という意味ではたぶん通じるはずだ。



とはいえ、言われたほうがかなりの違和感を持つのは間違いない。では、どこが間違っているのだろう。



「ここはどこですか」をWhere is here?と考えた人は、おそらくWhat is this?などの疑問文と同じ形として、「疑問詞+be動詞+here?」という形を使ったのだろう。



そこを掘り下げるために、同じwhereを使った疑問文で、Where do you live?のwhereがどんな働きをしているかを検討しよう。





この疑問文に対して答えれば、たとえばI live in Tokyo.などとなる。質問のWhereは、答えのin Tokyoに対応している。つまりwhere(どこに)→in Tokyo(東京に)という対応だ。



ここで注目していただきたいのは、whereは「どこ」ではなく、「どこに」という意味であることだ。



Where is here?という間違いの原因は、Where is…と言った時点で「どこにいるか」というbe動詞の「ある、いる」のほうの意味だと確定しているのに、What is…?などの類推からbe動詞をイコールのほうで使っている点にある。



Where isの時点で「どこにあるのか」「どこにいるのか」の意味は確定だから、be動詞のあとには「誰が」「何が」が続かないとおかしなことになる。



念のために言うと、hereは主語にならない。Here is ○○.という言い方があるので、Hereも主語になりそうに思った人もいるかもしれない。それは「○○はここにある」から「○○をどうぞ」などの意味になったもので、あくまで○○ is here.が倒置された形である。主語は○○のほうである。



したがって、「ここはどこですか」を英訳するなら、Where are we?(weは自分と聞いている相手)やWhere am I?(携帯電話などで聞いている場合)となる。



しつこいが、Where+be動詞の時点で「どこにいるか」という意味は決定しているのだから、後ろは「○○が(どこにいるか)」の○○が来るのは当然である。



英語話者は、What is…と聞こえた時点でbe動詞がイコールの意味で、Where isと聞こえた時点でbe動詞が「ある、いる」の意味と、無意識に区別しているから、絶対にこの2つを混同することはない。



それに対して、初級の英語学習者は無意識の区別ができないわけだから、まずは意識してbe動詞を区別しなければならない。



さて、ここまで面倒な説明をしてきたが、実は文法を使えばもっと簡単に説明できる。



「Where is here?だと、whereは副詞だし、hereも副詞だ。そうなるとbe動詞に対する主語がないから、この文はおかしい」で説明完了だ。





ところが、「副詞」という文法用語を避けて説明すると、上記のような面倒な説明が必要になる。


だからこそ、初級では文法は大事だし、そのほうが覚えることも最小限で済む。



文法が不要だと言う人は、「慣れ」の部分を過信しすぎている。もちろん、語学センスのある人がいて、いくつも例を見ていてすぐ使える人もいるが、「え?なんで?」と疑問に思う人のことも忘れてはいけない。



疑問を持った時点で覚えたり分析したりしようとする気力は下がるし、そのことで頭がいっぱいにある。だったら、理屈で説明して疑問を解消して、次に進んだほうがずっと効率的である。文法なしでいけるならそれでいいが、ある程度の人数を教えれば、その中に「なんで?」と思う学習者は出てくる。



少なくとも指導する立場であれば、その人に疑問には答えるのが適切な教育的配慮というものだろう。



それに、慣れてくれば無意識に区別できるようになるから同じことだ。あくまで区別はそれまでの便宜上の作業だ。いつかは意識しなくて(=忘れて)よいのである。



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