商品ラインナップが日本製品と同じなので、人件費が上がると競争力がなくなり利益が減ることです。いくら韓国企業が利益を出そうともそれを国内に還元して人々の収入を高くすると、人件費高騰によって利益が下がるという矛盾にさらされてしまいました。
そこで、前任の李明博大統領は積み上がった法人税を企業育成に傾けて、インフラや福祉など国民生活の向上には振り向けないという政策を採りました。その両方を追えば、財政が破綻し、IMFの参入を招きかねません。
だからこそ韓国では、大企業はどんどん大きくなるのに、国民生活がいっこうに良くならないわけです。輸出は積み上がっていくのに、国内需要はいっこうに喚起されませんから、極端に輸出依存へと傾いていきました。
日本と韓国は国内需要の面では人口減少に悩んでいて、これが内需不足の大きな要因になっていますが、両国には大きな違いがあります。
1970年代、現在の韓国のように輸出攻勢で伸びてきた日本は、アメリカの日本叩きによって内需主導に転換しました。これが功を奏して国内消費が伸びて、輸出の減少ぶんを補いながら経済成長に可能でした。
内需主導であると輸出依存が小さくなるので、外部要因である世界景気に影響を受けにくくなります。内需がクッション役になって、極端に生活水準が下がることはなくなります。
これと逆なのが、現在の韓国です。しかもウォン高が始まっているので、韓国国民の給料は上がらなくても、外から見た人件費はそれに応じて上がっていきます。輸出が減ると二重に国民生活が苦しくなります。
日本は同じような状況で、大量に国債発行をして財政支出をして経済を刺激してなんとか乗り切ってきました。もちろん韓国もそうせざるをえないが、日本と違って韓国には大量の国債を買ってくれる対象がいません。日本国民が国内に貯蓄をしているので銀行がそこから国債を買ってくれるが、韓国は貯蓄が少なく国債消化が日本に比べると困難です。
では、韓国経済はこれからどうすればいいのでしょうか。それは主要産業以外に、日本とは違う市場で勝負できるようになることでしょう。
日本と同じ市場で争う限りは人件費を抑えるしかありません。もちろん、液晶テレビのように技術まで完全にキャッチアップして、「日本に技術でも負けない」というレベルまで行けば、たしょう人件費が上がっても問題はなくなりますが、ほとんど例外です。たとえば自動車はそのレベルではないので、もろに売り上げ減に結びつきます。
日本には、たくさんの産業があります。数々のハイテク部品や化学製品はもちろんのこと、ほかにもデザイン、ファッション、おもちゃ、情報など様々です。それに比べると、韓国は日本が突出する一部産業に特化して、あまりに裾野が狭いと言わざるをえません。
もちろん韓国は日本が得意とはしていない音楽や芸能分野の輸出振興をやっており、また成功しているものの、まだ大きな利益を出すには至っていません。また、それ以外で目立ったものはない状態です。
これを脱却するのに必要なのが、オリジナリティを生み出しための、企業の、そして国民のcreativityです。
creativityを育てるには心の余裕から来る「遊び」と、多様なものに関心を寄せる「好奇心」が必須ですが、現在の韓国は国民生活の向上にさほど努力しておらず、また国内世論も反日一辺倒で意識が日本に向いています。そのため「日本に勝っているかどうか」ばかりが気になり、精神的な多様性の面では貧弱です。
これを変えるには国民生活の向上とともに、個性を伸ばす教育を充実させなければなりません。それ抜きで韓国経済が大きく発展することはおそらくないでしょう。
もちろん日本も人ごとではありません。現に、creativityの面でアップルに遅れをとって必至に食らいついたサムソンにもシェアをとられたのが、ソニーやパナソニックなどです。日本がさらに経済成長するには、やはりcreativityの向上をはかるしかないわけです。
結局、日本の場合も本気で高い経済成長を実現しようと思えば、最後は教育問題に行き着きます。枠にはまらない考え方ができるcreativityのある人材がどれだけいて、その人たちがどれだけ活躍できるかが勝負です。
(この項おしまい)

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