いった何が違うのか?
自分の目そのものが、当時と違うのである。ようするに目を長年使ってきて、色の見え方が変わったということだ。
もっと簡単に言うと、目が老化したのだ。
だから、子どものときに見たその絵の青と、今見るその絵の青は、違う色になってしまったというわけ。
ある日、その事実に突然気づいて、愕然としてしまった。
つまり、絵についてはこういうことだ。
今の私は、展覧会などで「名作」として飾られている絵の作家と同じような年齢になっている。そのために、その画家と色の見え方ができるようになってきたというわけだ。
逆に言うと、子どものときにはさほどピンと来なかった絵の色遣いが、作家と同じ見え方をするようになって、今はピンと来るようになってきたのだろう。
考えてみると、私は離島の生まれで、夏はずっと海で遊んでいた。紫外線いっぱいの中で、長期間目を酷使してきている。当然、目もそれなりに痛んでいるはずだ。
今までさほど気にしていなかったが、街で見る白人はサングラスをかけている割合が、日本人とくらべると異常に高いことに気づいた。黒目が多い日本人とくらべると、碧眼は紫外線に弱いと言われる。みんなサングラスで目を保護している。
それに気づいてから、私はすぐにサングラスを買った。そして、日差しが強いときはなるべくサングラスをかけるようにしている。
サングラスは人相が悪くなりかけたくなかったのだが、そう言っていられない。これ以上目を酷使して色の見え方が悪くなるよりはましだと割り切ることにした。
サングラスは本当に楽である。今までそうとう目に負担をかけていたのだなと、申し訳ない気持ちになってしまう。
そこで思い出したのが、ジブリの『千と千尋の神隠し』のDVDだ。「色が赤い」と悪評がたったが、ジブリ側は結局、配慮しなかった。
どんな理由なのか知らないが、年配者が多い会社だから、もしかしたら自分たちは深刻に思えないのかもしれない。そもそも子どもたちが支えて大きくなった会社なのだから、子どもにどんなに見えているかも考えたほうがいいんじゃないだろうか。
(おしまい)
