わかりやすくするために、そのときに書いた例で例示する。
1.無意味に「まんま」と言う時期
2.「まんま」が「お母さん」を意味する時期
3.「さんまのまんま」という表現がおもしろいと思う時期
4.「さんまのまんま」という表現がなぜおもしろいか説明できる時期
1と2が小学校入学前の乳幼児、3が小学校低学年、4が小学校高学年に対応する。
理想は1と2の時期に英語を覚えることだが、それにはリスクがともなう。なぜなら母語として日本語を身につけている大事な時期であるからだ。どちらも半端になってしまえば、一生尾を引く可能性もゼロではない。
ただし、アメリカ圏に育つ日本人夫婦の子供が英語と日本語を両方身につけることがある。ただし、それを日本で人工的にやろうというのにはほぼ不可能で、やろうとすれば莫大な費用と労力が必要になる。
現実的なのは3か4の時期に英語を始めることである。
3の時期の問題点は、言葉を言葉で説明することが十分に機能しないことである。「この英語はこういった形で使う」と説明するためには、少なくとも4の時期に達していなければならない。
もちろんこの時期に英語をやるのが無駄になるわけではない。英語の音は早くから身につけたほうが有利である。逆に大人になってから英語の発音を身につけるのには困難がともなう。
すると、この時期にやるべきは英語の音を聞かせ、それをまねさせるという単語レベルの学習である。dogやcatなどの音を聞かせ、それを自分でも全く同じ音でまねするようなことは有益だろう。短い文であれば聞くのもまねするの問題はないが、それはあくまで「ひとまとめの音」と認識できるような教え方でなければならない。
もう1つは、「白雪姫」などの物語の英語を繰り返し聞かせることである。これはどんな聞き方でもかまわない。自宅で本人がテレビゲームをしているときに流すというのでもOKだ。ようは、同じまとまった英語を回数を聞かせることで、英語の音というのものを無意識に受け入れる素養を作ることを目指している。
言葉を学ぶときに大切なのは「気づき」である。英語学習において気づきを得るためには、まず日本語という基準がしっかり出来ている必要がある。3の時期はまだ日本語のしくみについての基準はできていないが、音についてはほぼ完成している。
たとえば、自分が「す」と思っていた音では、英語ではsとthとがあるといったことである。この時期にlとrの違いまでわかれば、その後の英語学習か飛躍的に楽になるのは言うまでもない。
音に限らず、言葉に関する「気づき」を得るには大量の訓練が必要である。
ただし、いくら大量に聞いたところで、それが日本語として認識される限り気づきは得られない。
たとえば、私のまわりでは「す」は[su]ないし[s]と発音する人がほとんどであるが、最近の若い人は「す」を[thu]や[th]と発音する人がかなり増えている。とくに十代の女性は[th]が圧倒的に多い。
しかし、それを「す」と聞いているかぎり、[s]も[th]も「す」としか認識できない。音の感覚が鋭い時期のうちに[s]と[th]で意味が変わる単語を聞いたり話しているうちに、やがてその2つのが違うものであると認識できるチャンスが増える。
音は無意識レベルで処理されるものである。だから、「言葉について考える」という作業は必要はない。繰り返し英語の音を聞き、それをまねすることで、日本語の音との違いがなんとなく聞き分けられるようになれば十分すぎるほどである。
たとえ「気づき」がなかったとしても、早い時期に英語の音にふれることは、のちのちの英語学習に役に立つはずである。
また、以前述べたが(→リンク)、最近は口唇筋(唇を支える筋肉)が弱い子供が増えている。口唇筋が弱いといろいろなトラブルが起こりやすくなり、体力低下やアトピーなどを併発しやすくなる。英語の発音を練習すると口唇筋が鍛えられるので、とくに早くから鍛えておくと、健康面でもプラスになる。
続きます。
