続・父親はなぜ情けない存在になったか? | 真面目に脱線話@リンガランド英語塾

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父権的な家族のありかたは、子供を育てるのに都合良くできています。



子供を育てるには、大きく2つの要素が大切です。それはやさしさと厳しさです。



やさしさはおもに母性によってはぐくまれます。母親の包み込むようなやさしさは、子供がほかの人に接する場合に、同じようにやさしく接することができる能力を育てます。



厳しさはおもに父性によってはぐくまれます。父親の曲がったことを好まない態度は、子供が自分を律し、感情に流されずけじめをつける能力を養います。



伝統的な家族形態で育った子供はその両方を身につけることができ、さらに「子育てアドバイザー」として父母の両親も同居していれば、子育てに失敗することなどほとんど起こりえませんでした。



ところが、近年、「父親の厳しさ」が怪しくなっています。もし子供が甘やかされるだけで自分を律する能力を身につけることができなければ、大人になっても感情をコントロールできず、けじめのない人格になってしまう可能性があります。



父親の威厳というものは、あくまで父が大黒柱であるという前提で作り出されます。ところが、父親が大黒柱になれず、母親によって「情けない男」と規定されてしまえば、子供は父親を怖がることなどないでしょう。



けじめというものは外からもたられます。たとえば、「嘘をついてはいけない」というルールは、子供のとき嘘をついて「怖い親」からこっぴどくしかられたという恐怖体験から生まれます。つまり、体で身につけるものです。



もし子供が嘘をついて親がへらへらし、子供は「嘘をついてもOKだ」と思えば、その子にとって「嘘をついてはいけない」というルールはとても軽いものになってしまいます。「しかる親」というものは、子供にとって怖い存在ではなければなりません(もちろん教師も同様ですが、親の高学歴化に合わせて教師のステイタスは低くなってしまって、その役目が果たしにくくなっています)。



「しかる親」としての父親の役割は子供にとって決定的なほど大事なものです。いまさら父権を強化しようなどとしても無理でしょうが、父親が「情けない存在」にならないように工夫する必要があります。



そのためには、前回お話ししたように親が「成熟した男女」になる必要があります。子供は経済的にも精神的にも肉体的にも未成熟なので、成熟した大人には一定の距離感があります。それが、「しかる親」に一定の説得力をもたらします。



逆に、母親が「おまえの父親は本当に馬鹿だ。ああなるな」と言えば、子供は父親を自分の基準にすることができません。「馬鹿」に注意されたら、その注意が正しいのかどうか判断できなくなります。そうなると、せっかくの注意がムダになるだけでなく、その注意内容を軽んじるようになる可能性すらあります。



なお、こんなことを書くと、「母親、あるいは父親しかいない場合はどうなるんだ」と考える方もいるかもしれませんが、ようするに育てている人がやさしさと厳しさの両方を兼ねていればいいだけの話なのです。




また、父親と母親の役割が逆になってもとくに問題はありません。大勢の家庭と違うのでちょっと珍しいというだけのことです。



(おしまい)




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