前回までで言いたかったのは、「女性が英語が得意なのは、英語を身につけるのにそれなりに切実な動機があるから」「男性が英会話が苦手なのはそれなりの理由があるから」ということです。
それはそれとして、今回は、以前予告していた(と言っても誰も覚えていない)私の考える「究極の英会話学習法」について述べたいと思います。ご参考になれば幸いです。

まず「英語の基本」について考えることにします。
英語の基本と言えば、まずは単語です。単語を知らなければ、言葉では何を伝えることもできないからです。
たとえば、ことばが通じない国を旅行して、のどが乾いているのに、水が手に入らないとします。思い切って知らないお宅のドアを叩きます。家の人が出てきました。親切そうなそのひとは、しかしながら、目の前に見なれない外国人らしきひとが立っているので、すこしびっくりしているようです。
ことばは通じません。でも水はぜったいにほしい。水が飲めないとこのまま倒れてしまうかもしれない・・・でも、「水」という単語抜きで「水をください」と伝えるのは至難の業(わざ)です。逆に「水」という単語が言えれば、なんとか水をもらえる可能性が高いでしょう。
学校の勉強でも、単語の知識なしに進めるはずがありません。単語は外国語学習のゴールなき出発点です。
次に大事なのはおそらく文法でしょう。もちろん、実際に使う場面であれば相手に好印象を与える表情ができるとか、ジェスチャーで適切に要求を伝えることができるなどの能力が大切です。ただ、日本での英語学習にそこまで求めるのは難しいので、今回は考えないことにします。
なぜ文法が大切かというと、知っている単語を相手にわかるように並べられれば、言いたいことがかなりのところまで伝えられるからです。それに動詞の変化を加えれば、最低限のコミュニケーションに困ることはおそらくないでしょう。
だから学習者のみなさん、単語と文法をしっかりやりましょう!・・・というだけでは、足りないものがあります。それは何でしょうか。
それは動機です。
「喉が渇く。水分をとらないと死んでしまうかもしれない」などという状況なら、誰だって必死に相手に意思を伝えようとします。また、いちど水がなくて死にそうな経験をすれば、次は「水をください」に当たることばを覚えるはずです。
それに対して、日本で英語を勉強している場合、多くはそういった強烈な動機がありません。
英語学習に大切なのはこの「動機」をどうやって作り維持するかです。
これまで日本でその中心的役割を果たしてきたのは大学受験です。良い大学に入りたければ、英語はやらざるをえないものでした。
では、現在はどうでしょうか。
大学受験はだんだんその価値を低くしているように感じます。もちろんそれがゼロになることはありません。ただ、大学受験が推薦入試中心になれば、高校の定期試験で要領よく得点をとっていくことが学力をつけるより大切になっていきます。入試に出る単語などほうっておいて、教科書の単語をしっかり覚えればいいという価値観も生まれつつあります。
繰り返しになりますが、私たち英語学習者にもっとも必要なのは動機です。それは言い換えると、なぜ英語をやらなければならないのかを自分に説明できることです。
これからの親がたいへんなのは、子供にそれが説明しなければならないことではないでしょうか。これまで英語学習が大切のは自明のことだと多くの人が考えてきたはずなので、そうたやすくはありません。
動機は切実なほど効果があります。逆に、「英語を話せるとかっこいい」とか「海外の友達をたくさん作る」などといったものでは、効果が薄く長続きしにくいのです。
また、このようなものは動機と言うよりは、頭で作り上げた「目標」に近いものです。目標の多くが目標のまま終わってしまうことが多いのは、みなさんもご経験のとおりです。たんなる目標では動機にはならないのです。いわば「切実な目標」を作ることが英語学習を成功させるコツです。
ここがわかれば、本当に効果のある英会話学習法を編み出すことができるはずです。これこそが、まさに「究極の英会話学習法」です。もしかしたら、そうとは知らすでに実践している方もいるかもしれません。そんなひとはすでにかなり力がついているはずです。
これは、すごく効果がある(はず)なのにあまり「勉強法」として語られることがないのかもしれません。
さてその内容は・・・・次回ご紹介します。次回は英語学習者必読!乞うご期待!