本日20日はとてもパワフルな蠍座の新月でした。
ちょうど19日に逆行中の水星も蠍座に戻ったので、太陽・月・水星とトリプルで蠍座28度に集まる「涙の度数」の新月です。
固定星座の最終度数を「涙の度数」と呼びますが、それは固定宮が同じ状態に留まり、反復することでそのエネルギーを高めていくため。変化が苦手で、次の星座に行きたくないため「別れたくないよう」という、涙、涙の度数なのですね。
その中でも特にひとつだけ「涙の度数」を選ぶとしたら、それは蠍座28度となります。蠍座だけ最終度数ではなく、1度前の28度なんですね。
それは、最も葛藤が高まるピークの度数でもあります。
ちょうど、この新月の前後に、高市総理の台湾有事をめぐる発言に対して、中国が批判を強め、日本への渡航中止を勧告したり、日本からの水産物の輸入を事実上停止したりといったことが相次ぎましたが、まさに「ああ、これこれ」という感じの葛藤が、蠍座28度です。
サビアンワードでは「酋長に子どもたちの命乞いをしているインディアンの女性」となります。
このインディアンの女性は、自分で決めた道をいくために、部族から独立しようとしているのですね。しかしそれを宣言したところ「行くなら子どもを置いていけ」「子どもがどうなっても知らないぞ」と脅されるという度数です。
自分らしさを貫こうとしたら、力あるものに脅されて、葛藤するという……今の情勢そのまんまですよね。
こういうことって、よくあるんじゃないかと思います。
離婚しようと思ったら「子供を置いていけ」「家は返してもらう」とか、仕事を辞めようと思ったら「今後数年は同業にはつかないように」とか「ここで研究したものは全部置いていけ」とか、家を出ようと思ったら「私を捨てるのか」とか。
天秤座で他者と出会って、契約し、蠍座では実際に共同利益を生み出すための活動をします。度数が深まることで、十分にやり尽くして、涙の28度では「そろそろ契約を解除して、次のステージへ進もうと思います」となるんですね。
しかし「裏切るなら、××だぞ」と、脅されるのですね。
大事なことは、その時に「さあ、どうするか」という選択です。
葛藤がある状況で、しかもリスクが大きいとき、つい流されて、あきらめてしまうこともあるでしょう。
でも、それが本心なのでしょうか。
いかに自分に嘘をつかずに、真実の道を選ぶのか。
蠍座を支配する冥王星は「生き残ること」を象徴する星なので、私たちは時に、悪魔に魂を売り渡すこともするのでしょう。それは「良いか悪いか」というものではなく、本性に組み込まれている本能のひとつなんですね。
いけないことだとわかっていても、自分のエゴのために仲間を売ったり、敵に情報を流したりする人もいるでしょう。
しかし、自分を偽ってしていることは、いつか「もう無理」「続けていけない」と終わりを迎えます。その時に、私たちはこの涙の度数と出会うのでしょう。
あの時は仕方なかったけれど、今も果たしてそうなのだろうか。
嘘をついていると分かっていながらも、続けていると、そのまま嘘の人生を生きることになってしまいます。
変容の赤い浄化の月。地上の空気が冷えて乾く秋は「乾きの道」の象徴です。木の葉が養分を木の幹に残して自ら散りゆくように、不要なものを手放して、本質を精錬させる蠍座の最後の2日間です。

