銭湯の煙突は、銭湯の象徴

と言ってもいいのではないでしょうか



その煙突は、薪を燃やして出る煤を定期的に掃除しなければなりません。その掃除を請け負うのが、煙突屋と呼ばれる煙突清掃の職人さんです


銭湯、そして薪で湯を沸かす銭湯が減り続ける中、その煙突屋と呼ばれる職人さんも減り、少なくとも都内では最後の煙突屋と呼べるかもしれないのが

斎藤良雄さんです

その斎藤さんを撮るドキュメンタリー映画の制作が進められており、その撮影途中の映像の上映会があると知り、行って来ました



場所は、曳舟にあるすみだ生涯学習センターです



最初に30分ほどに編集された

制作中の映像を見ます



斎藤さんの仕事の様子や、能登の銭湯の若き経営者との交流なども描かれます


(能登での煙突清掃の様子)


その中で、今回の会場のすぐ近く、曳舟にある

良の湯に斎藤さんが訪れたことも描かれていました


良の湯は長らく休業状態なのですが、ひょっとして再開するので煙突掃除をしに訪れたのかな?と、一瞬思いました



でも、そうではありませんでした…


理由はご主人が急逝されたからで、そのことを知った斎藤さんがお線香を上げに訪ねられたのでした。ワタシが良の湯を訪れたのは4年前。その時はご主人がお元気で、お話もさせていただいたのですが…


(4年前の開店時、シャッターを上げるご主人…)


良の湯の休業がずっと気になっていたのですが、

やはりそういうことだったんですね…残念です


(貴重な故早川絵師の絵も寂しそうです)


(長期の掲示により色褪せてます)



上映後は、斎藤さんがご本人がお孫さんと共に登場され、太田監督とのトークや会場からの質問で、撮影や煙突清掃のことについてお話し下さいました



現在85歳の斎藤さん。まだまだ現役で頑張ると仰るその表情は、とても85歳には見えない若々しさです。だって、20mの高さの煙突に登るのですから!手脚や腰がしっかりしていても大変な作業を、85歳でやられているなんてホントびっくりです



お話の中で、煙突内の煤の付き方が酷い銭湯があり、それはラワン材のベニヤを燃やしていたからだと仰っていました。ただ燃やしているだけのようで、燃やす材にも気をつけないといけないのですね。煤が溜まると煙が釜の方に戻りやすく、結果的に釜での燃焼も悪くなるのだそうです


終演後、帰り際の斎藤さんと少しお話しをさせていただきました



今度は煙突の中を撮りたいんだ

そう仰る斎藤さん。確かに今回の製作途中の映像では、斎藤さんが煙突に登って入るところと出てくるところはあっても、中での清掃の様子は出てきません。掃除の仕方は、背中にズダ袋を付けてその背中を内壁に押し付け、足を伸ばして反対側の壁に突っ張って体を支えた状態で、背中を擦りながら降りて煤を落とすのだそうです


いやはや、ほんと大変なお仕事です


お身体、気をつけてください!

そうお伝えすると、笑顔で応えて下さいました


そんなまだまだ現役で頑張る斎藤さんに

元気をいただきながら、

一方でもう二度と煙の上がることのない

良の湯煙突を見上げ、

曳舟駅へと向かったのでした…






映画の完成が楽しみだな