私が子供の頃は、中学に入るまでまったく英語にふれていない人はたくさんいました。むしろ小学校から英語を習っていた人なんて非常に珍しかったと思います。
ウィキペディアによると、昭和41年に学芸大学附属の中学に帰国子女のためのクラスができたと書いてありますが、小学校に帰国子女クラスができたのはもっとあとだと思います。
私たち家族はその頃にイギリスに滞在したのですが、私はまだ就学前で保育園のようなところにちょっと預けられただけでした。海外に在住したとはいえ、父も母も生涯 英語が話せるようにはなりませんでした。
私も中学に入った頃、英語の先生が何を言っているのかまったくわからなかったし、英語の音だけは耳に残っていたけれど文が構成できる、つまり話せるレベルではありませんでした。
そもそも英語を生活言語として習得するのと、ある一定の年齢になってから「外国語」として習うのでは脳内の機能もまったく違うし、記憶への定着も違う経路をたどるということを知ったのは大学院に入ってからでした。
幼少期なら、自然に英語(または別の言語)を学べるというか習得できると信じている人は多いですが、幼少期であってもそれが母語でなければ、かなり教える側が仕掛けないと自然習得はできません。ただその教え方というか与え方は自分がある程度の年齢になってから習った方法ではほとんどの場合、うまくいきません。
おうち英語をしている親御さんは、語りかけや読み聞かせも自分でやろうとしたり、早いうちから中学で習ったような文法や単語を「外国語」として教えてしまったりします。アメリカに駐在している日本人家族の中にも同じように自分で英語を教えようとする方は多くいらっしゃいます。
それでうまくいく方もいるのですが、たいていの場合は却ってお子さんの認知機能を低下させてしまう、というか学習のプロセスを遮ってしまうことがあります。
その1つがフォニックスです。フォニックスはかなりの音のインプットがあり、音と文字が自然に脳内でつながるようになった頃に導入すると効果があると言われています。私の子供のようにまったくフォニックスを習わず本が読めるようになった子供は音と文字が自然に脳内でつながり再生できる機能を 自ら、作り上げられたタイプです。英語母語話者の80%くらいはフォニックスを習わずに英語が読めるようになっています。ただ習わなくてもできたけれど、学校で習ったという人もいます。
英語は音声重視型の言語で、音が先に入ると習得が加速します。
現在、日本の大手英会話教材会社のお仕事をしていますが、こういう理論的枠組みをよく理解した上で、子供の興味をそそる教材が開発されていくのは楽しみです。
その教材を宣伝したいとかではなく、それぞれのお子さんに合った多様な学習機会が提供されていくのはいいことだと思っています。