日本で英語を学習している方、お子さんをバイリンガルにしたいと思っている親御さんは主に「英語が話せるように」という話技能(Speaking Ability)を重視する方が多いようです。
日本国内で、英語を習得しようとすると 英語圏にいる人より絶対的なインプットが少ないのは仕方のないことだと思います。
同じように日本国外にいると、日本語のインプットは非常に限られてきます。
ある時、ロサンゼルスの中学の日本語のクラスを見学に行ったら、60分の授業中、55分くらいは 先生が英語で生徒を叱っていました。アメリカの中学生は授業態度が悪い子が多いので、先生はたいへんです。この授業で生徒たちは日本語をほとんど聞いていませんでした。
日本でも ALTによる英語のクラスを何度か見学しました。ALTは話し続けているけれど、生徒達は夢の中で全然聞いていないということもよくありました。
子供も大人も 自分に興味があることは熱心に聞こうとするので「英語を聞かせる」のではなく「自分や子供が興味があることを英語で聞かせる」必要があります。
またインプットだけでなく「話せるようになる」ためにはアウトプットが必要ですが、親や先生はとかく「評価」をしてしまいがちです。
一度、発音をバカにされると「二度と話したくない」と思う子もいます。
1ヶ月ほど前に日本で英語を学習している小学生とアメリカの小学生の交流会をしました。日本側のお子さんがせっかくがんばって英語を話そうとしている時に、横でお母さんが「こういうふうに言いなさい」と指示したり、日本人の子供がアメリカ人の子供が言ったことがわからなかった時、お母さんが訳して説明してしまったりする場面がありました。親御さんにしてみたら、他の子が聞いている前で自分の子供が間違ったら恥ずかしいという気持ちがあったのかもしれませんが「失敗をおそれずに発話する環境」をもっと作ってあげたらいいのに、と思いました。
先日、我が子がキッザニアで日本人の係の人が言ったSureという言葉が日本語の「手話」だと思ったという話を書きました。日本語で「Sureってわかる?」と聞かれたらそれが英語の言葉だとは想像しなかったのでしょう。また子供は親や先生や友達など限られた人の話し方だけを聞いているので、音の許容範囲がせまいことが多いです。よく日本人の方で「子供の学校にボランティアに行きたいけど、子供の英語でさえわからないし、子供も私の英語がわかってくれない」と言う方がいらっしゃいます。
子供の英語は大人には聞き取りにくいことが多いし、子供はいろいろな発音に慣れていないのでわかってもらえないことも多いです。
日本語の場合、音の単位が英語より長く強勢(ストレス)が少ないので、子供と大人の発話(発音)にはそれほど差がありません。また主語がなくても会話が通じるし、日本語は膠着語なので、文をつなげて長々話していても大人も子供も割と理解できます。この文型というか文の構造を英語に置き換えて話してしまうと、わかってもらえない話し方になってしまいます。
