以前にも書きましたが、試験は受ける人数が多ければ多いほど、1点の重みが大きくなります。

試験の問題数が少なければ、問題ごとの配点が大きくなり、たった1つのミスで偏差値が大きく変化することがあります。

 

例えば中国では大学入試の統一試験のようなものがありますが、人口が多く試験を受ける人数が非常に多いので、その試験で問題数を少なくすると、同点の人がたくさん出てしまって合否がつけづらくなります。これはアメリカの大学入試に必要なSATやACTのようなテストでも同じことが言えます。そのため、試験作成側は100点満点ではなく1000点満点とかにして問題数も増やし、なんとか差をつけようとするのですが、そうすると自動採点が可能な「答えが1つ」(Close end question)のタイプの問題が多くなります。例えば100問を50分のテストで答えさせるためには、1問30秒で答えなければならず、そういう問題は「見てすぐ答えがわかる」ものでなくてはいけないし、ある意味 知識や思考力より「反射神経」を試す様な試験になります。

 

日本の入試問題や統一試験の問題は問題数をそれほど多くなく、どちらかと言えば「考えて答えを出すタイプ」の出題が多いです。

そうすると試験当日の体調や集中力、さらには問題との相性によってかなり成績が左右されることが予測されます。

 

「問題との相性」というのは、また後日 くわしくお話ししますが、小中学生のころから「試験の攻略法」(Test Taking Strategy)をよく教えておくと、問題の性質によって取り組み方を変えることができるようになります。

 

英語のテストを中学生が受けた場合、中1の頃は成績がよかったのに、中2、中3と学年があがるにつれ、偏差値が下がってしまうことがあります。 

偏差値というのは相対評価なので、周りの人が自分よりできれば下がるし、自分の方が周りの人より点数が高ければ上がります。

一般的には学年が上がるにつれ、受験を意識して学校外でも学習をするようになるので、自分が他の子よりも学習量が少なければ偏差値が下がると考えられています。実は英語教育のカリキュラムや試験の形式によって成績が変わってくることにも注目するべきなのですが、そのことを考える教育者の方は以外と少ないです。

 

中学1年生の最初には、基本的な文型(Be動詞の文や一般動詞の文)を習いますが、おそらく中学に入った時点で ほとんどのお子さんが、これらの文型を使った簡単な会話文を練習したり、英単語を習っていることでしょう。そのためこの一番大切な基本文型の習得と内在化(規則がわかって使いこなせること)が早足で流されてしまい、ここまでは小学校、あるいは塾などで既習している力を使ってテストで高得点が取れても「英語の何を習うべきか」がわからないまま、学年が進んでしまうことがあります。
 
日本の英語教育の枠組みを考える方は、ぜひこのことを考慮してカリキュラムを構成してほしいと思います。
このような提言を正式にしたこともありましたが、なかなか大きい変化が起きないのが日本の教育界の現状です。
 
「いつ、何を教え、何ができる様にするか。」を根本的に見直さないと、いつまでも「偏差値を55から57にあげるため」に多大な教育費と学習時間を費やすことになってしまうと思います。

 

 

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