おそらくこの方や前に質問された方と同じように、お母さんだけが日本語母語話者で海外で暮らしていると 家庭内での使用言語やバイリンガルとしてのに言語発達について悩まれることも多いようです。
他の大学の先生でこのZOOM会議に参加された方がご自身の経験を語っていらっしゃいました。その先生はもうお孫さんがいるのですが、娘さんがアメリカ生まれ育ちで、日本語がわからない方と結婚されたので、家庭内ではほとんど日本語を使っていないとのことです。娘さんはアメリカ育ちでも日本語を補習校でしっかり勉強されて、先生(母親)とは今も日本語で会話されているのですが、自分の家庭内では日本語は使わないそうです。
その先生が言ったいた
財産と言語は3代でなくなる
という言葉が頭に残りました。私も実際、同じようなケースをよく見ています。
両親の母語が違えば、子供は両方の言語を親から習い、自然とバイリンガルになるように考えられていますが、実際には両親がお互いの言語をよく理解し、両方の言語が同じように家庭内外で使われていないと、二言語習得はむずかしくなります。
もし国際結婚で両親の母語が異なる場合、家庭円満を第一に考えて家庭内で使用する言語を決めた方がお子さんにとっても親御さんにとってもいいと思います。
これはどちらが正しいということではなく、統計的には、男性の母語が家庭内の主要言語になることが非常に多いです。
お子さんが小さい頃には母親が母語で育てるわけですが、母親の母語を父親が理解できない場合、習おうとしない場合には、母親が父親の言語をがんばって習得し使用しているケースが圧倒的に多いのが現状です。
前にも書いたのですが、お子さんが小さいうちは夫婦間で、お子さんがある程度の年齢に達したら家族で「みんなにとって一番安心して使用できる言語」を確立して、その言語をみんなで習っていくのが一番いいのではないでしょうか。
私の恩師であるバイリンガル教育の権威のMaria Brisk先生は「自分(母親)の英語と夫(父親)のスペイン語を比べたら、自分の英語の方が得意だったけど、自分の母語以外で子育てをするということは考えられなかった。だから、子供が小さい時に3年間、スペイン語圏に家族で住み、夫にスペイン語を習ってもらった。アメリカに戻ってからは、家族内の言語は英語の方が多くなったけど、夫がスペイン語ができないままだったら、おそらく子供はバイリンガルにならなかったと思う。」と言っていました。
まずはお父さんがお母さんの言語をある程度習ってくれることが子供がバイリンガルになるコツかもしれませんね。
