もう本当に何度も書いていることですが、「アメリカ」とか「ロサンゼルス」と言っても州や地域や周りにいる人によって、あまりにも違いがあるので「アメリカは〜〜」とか「ロサンゼルスは〜〜」という記述をすることには、いささか抵抗があります。

 

特にロサンゼルス(と呼ばれる地域)はあまりにも広くて、ロサンゼルス市は全米で2番目に大きい学校区で、市内だけでも場所によってまったく違った雰囲気になります。

 

なので、これはロサンゼルスのある一定の地域での一人の日本人の経験談ということでご了承ください。

 

昨日、ロサンゼルスで大規模なデモがあり、ロサンゼルス市庁舎があるダウンタウン周辺やミッドウィルシャーと呼ばれる少し西寄りの地区、さらにビバリーヒルズ(ロデオドライブ)でも建物を壊し、略奪するグループが入り込んできました。

これは昨年12月に撮ったロデオドライブの写真です。いつもはこんな感じでおだやかな雰囲気です。

 

ビバリーヒルズで略奪をおこなった人々はEat the Richと叫びながらブティックを破壊していったそうです。

 

ビバリーヒルズは「ビバリーヒルズコップ」という映画でも有名になったように独立した市の行政としてポリスステーションがロデオドライブのすぐ北側にあります。比較的せまい範囲の行政なので、ポリスの動きも早く、すぐに道路を閉鎖して、各店舗はバリケードを建て始めました。

 

私が住んでいるのは、ビバリーヒルズよりさらに西側です。ゲートがあるものの誰でも入れるのですが、昨夜の「外出禁止例」を受けて、このゲートが一時閉鎖されているそうです。

 

私は他人に何を言われようともこのように行政が市民の(それがある一部でも)安全を守ってくれることに感謝しています。

そしていかなる正義感があろうとも「危ない場所」に出かけていくことはしようとは思いません。

それは私には「暴力から自分の身を守る」力がないことを自覚しているからです。

 

 

私の娘が通っていた小学校はこのゲートを出て大学の構内に入るとすぐのところにあります。

 

この小学校には、ロサンゼルス中から子供達が通学していて、ビバリーヒルズやサンタモニカのような近隣の市からも通えます。

 

ハリウッドスターのレオディカプリオは、ハリウッドの東の方からこの学校に通っていました。彼の家は裕福ではなく、助成金(奨学金)をもらってこの学校に通っていたそうです。

彼はこの学校のことを

 

Garden of Eden (エデンの園)

 

と呼んでいて「誰もが差別などなく、肌の色や家の経済状態など気にすることなく、尊敬しあっていた」と表現しています。彼の家の近くには娼婦やドラッグディーラーがうろうろしていて、そこからたった10マイルのこの学校までには「社会の縮図があった」と言っていました。

昨日暴動があったミッドウィルシャーのあたりから、ビバリーヒルズに入ると急に街並みが「おとなしく」なり、ビバリーヒルズを抜けて閑静な住宅街が続く道を北にあがるとこの学校があります。

 

その後、この小学校を卒業したレオディカプリオは、地元の公立中学に進学し、1日目にボコボコにされたそうです。彼は「自分は『みんな仲良くできるよね〜』みたいな態度を取っていたのが勘に触ったのかも」と話していました。

そして彼は

 

現実の世界は、自分が通っていた小学校のようなユートピアではない

 

ということを知ったというのです。

これはロサンゼルスタイムスという新聞のインタビュー記事の中で語られたことですが、私自身も時々心配になるくらい、娘が通った小学校は「浮世離れ」していました。

 

それでも「人種差別」や「偏見」がなかったかというとそんなことはなく、普通の小学校のように子供同士のケンカもあったし、人種や親の経済的・社会的地位による格差を感じる場面もありました。

 

前にも書いたかもしれませんが娘は、Black, White, Asianのような人種を表す言葉をつい最近まで日本語でも英語でも使ったことさえありませんでした。人種だけでなくLGBTQに対しても驚くほどオープンです。

 

我が子もレオディカプリオと同じように助成金(奨学金)をもらって、この小学校に通ったのですが、彼がインタビューの中で言っているように「上を見たら果てしない金持ち」と「助成金(奨学金)をもらっている庶民」がいて、誰もが差別などなく、肌の色や家の経済状態など気にすることなく、尊敬しあうことを学んでくれたと思っています。

 

「アメリカは差別の国だ」と書いている記事も目にしました。人種差別の歴史がある故に、差別の対象となる人種を優遇する措置もたくさんあります。それでも十分でないと感じている人も多くいるのだとしたら、まずはどうしてそれでもこの国に、そのコミュニティにいるのかを考えてみた方がいいと思います。

 

 

 

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