私は自分の子供に、早くから文字を読ませたり、書かせたりしないようにしてきました。

娘が言語の発達が遅かったから、と言うのもありますが、言語習得を専門領域として数多くの研究論文を読み、文字の習得は認知能力が十分に発達してからにしようと決めていたから、幼い頃から文字を書かせたり、読み聞かせはしませんでした。

 

前にも少し書いたのですが、我が子は幼稚部から日本語補習校に入りました。

幼稚部に入ったばかりの頃、娘は月齢が一番低く、まだ現地校の幼稚園に入っていなかったので、他の子より幼く見えました。

 

そこに前にも書いた「ちょっと面倒なママ」がいました。その人は比較的若く、アメリカに来て日も浅いようだったのですが、とにかく人の噂話が好き、子供同士を比較するのが好き、すぐに群れようとするタイプだったので、正直 私は苦手でした。(その人のことについて書いた過去記事はこちら

 

その補習校の幼稚部は、親が週替わりで「ヘルパー」としてクラスに入るのですが、まずビックリしたのがそのママは、自分がヘルパーじゃない時も早めに学校に来て、他の子供のフォルダーの中にある返却物を見たりしていました。そして「XXちゃんは、もうかなり字が書ける」とか「〇〇ちゃんは、もうかなり難しい本を読んでいる」とか、他のお母さんを煽るような発言をしていました。

 

ある日、補習校のクラスが終わり、娘はこの面倒なママとそのママの子供と一緒に図書館にいました。 図書館と言ってもコンテナーのような場所に本が置いてあるだけのスペースですが、小さい子供の絵本から大人の本までが狭い空間に並んでいました。

娘がウチにもあった「たべたのだあれ(五味太郎作)」の本を手に取ると、その子供が「こんな赤ちゃんの本、読むの?」と娘に言いました。私は仕事中にたまたま通りかかっただけで、夫が娘についていたのですが、夫もその子に同調して「もっと違う本にしたら」と言って、読めもしない童話の本をすすめました。

 

私が「(我が子に)好きな本を選ばせて。ウチにある本と同じのでもいいから。」と夫に言うと、その面倒なママが「XXちゃん(我が子)、まだひらがなも読めないってウチの子が言ってたけど、読み聞かせとかしていないんですか。」と私に聞きました。私はきっぱりと「ええ、していません。」と答えました。そのママが「XXちゃんは本が嫌いなんですか? どうして読み聞かせしないんですか。」と聞いてきたので

「私は教育学博士ですから。」

と答えました。

自分の子供に早く文字を教えたいとか、読み聞かせをしなくてはいけないと思い込んでいるのは、一向にかまわないのですが、他人の子供が選ぶ本にまで口出ししたり、子供同士を比べてとやかく言うのが本当にうざいと思いました。

 

前にも書いたのですが、(特に日本の)初等教育は、なんでも早くできるようになるのがいい、という風潮があります。(そのことについて書いた過去記事はこちら)文字の習得を急いだとしても「書く力」「自分の考えをまとめるための手段としての書く作業」が促進されるわけではないということを親も教育者も再考した方がいいと思います。

ウチの夫は、この時の私の態度を見て「あ〜、こいつ、本気でキレてるな。」と思ったそうです。

別に自分の学歴や職業をひけらかそうとしたわけではないのですが、いちいち他人の子育てに口出ししたり、成長を比較する態度が気に入らなかったので、思わず言ってしまいました。こんな人のくだらない話に惑わされず、ブレずに自分の子供の文字習得を見守ってあげられただけでも大学院に行った価値はあったと思いました。

 

 

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