アメリカで日本語を保持しようとする家庭では、月曜日から金曜日は英語で授業を受ける「現地校」に通い、週末や放課後に「日本語補習校」と呼ばれる文部科学省のカリキュラムに沿って「日本語で勉強する」学校に通うのが王道です。
ロサンゼルスのように日本人子女が多い地区では、「継承語日本語学校」と呼ばれる「日本語を勉強する」学校もあります。
「日本語で勉強する」と「日本語を勉強する」
この違いは、「日本語で勉強する」場合は、日本にいる日本人と同じように、日本語で書かれた「国語」や「算数」の教科書を使って 日本人の(または日本語が非常に上手な)先生から教科を学ぶのに対し「日本語を勉強する」場合には、「日本語そのもの」を習います。
これは日本の英語教育にも当てはまり、インターナショナルスクールなどで「英語で教科を習う」場合と、小学校(またはもっと早期から)「英語を習う」場合との対比に似ています。
最初に「保持する」と書きましたが、これは幼少の頃に「日本語」が主要使用言語(親と話していた言語)だった子供が、英語オンリーの現地校に行っても 一度習った日本語のレベルを保つ=保持する と言う意味です。
帰国子女が 海外で習得した言語を日本に帰ってもその言語を忘れずに能力を保つことにも使われます。
私がこれまで行なってきた研究は、大学入学時に英語が母語(というか最も強い言語)で、日本語が日本人のように話せて、書ける(と見なされている)人たちを対象にどのような言語学習経験を経てきたかを聞き込み(インタビュー)調査することと、その人たちの英語と日本語能力を測ることでした。最近では言語能力を測るテストの開発に関わっています。
前回も書いたように「継承語話者」というカテゴリーの中には、様々な言語学習経験を持つ人がいて、私の研究に実際に参加してくれた人たちの背景も様々です。
概して言うと「日本語で勉強してきた」=日本の学校に通ったことがある または海外の補習校に通っていた人は、日本語を話す能力だけではなく、読み書きの能力も高い場合が多いです。
けれど 同じ補習校に同じ期間 通ったとしても個々の言語能力にはかなり差があり、早い時期にやめても高い言語能力を保持している人もいれば、10年以上通ったのにあまり高い言語能力に達していない人もいます。
次は「日本語継承語話者」のカテゴリーの1つである「新2世」について書きたいと思います。
