昨日、紹介したKenji Hakuta先生の本に「第一言語(母語)はほとんどの人が難なく習得していくのに、第二言語の習得はどうして複雑なのか」という誰もが抱く問いが書かれています。([1]の記事はこちらです)

 

第二言語習得には、様々な要素や条件が母語の習得よりも複雑に絡み合ってきます。

 

母語の習得は、ほぼ全ての人間が、生まれてから数年の間に凄まじい量の語彙や文型を自然に習得し、長い年月をかけて上達していきます。もちろん、ある年齢から、認知度が衰え、言葉を忘れたり字が書けなくなったりすることもありますが、ほとんどの場合は成人してからも上達し続けます。

 

第二言語と外国語の習得は、また全く異なるので、ここでは「母語ではなく別の言語」という意味で「第二言語」と言いますが、日本人にとっての英語は、「第二言語習得」というよりは「外国語学習」の方に近いと言えるのではないでしょうか。

 

「外国語学習」の場合、前にも書いたように、またこのKenji Hakuta先生の本にも書かれているように大人になってからの方が早くある程度のレベルにまで到達することと言われています。ただし、大人になってから「外国語」を学習する場合、よほど強い学習動機がないと、子供の時からのように継続して10年以上も学習し続けるのはたいへんでしょう。

 

例えば、母語を習得している時期(仮に0〜5歳とします)に、母語と同じくらいの量のもう1つの言語をインプットしたら、バイリンガルになるのか...という問いに関しては「なる人もいるし、ならない人もいる」としか答えられません。

「2つの言語の組み合わせによって難易度(バイリンガルになるかどうかの到達度)が変わってくる」というのはバイリンガル研究の常識ですが、他の言語同士(例:英語とスペイン語 フランス語とドイツ語など)の例が参考にならないというわけではありません。効果的な学習法、インプットの方法などは、どの言語でも共有できるものはたくさんあります。

 

では「なぜ第二言語(外国語)習得は難しいのか」 それは第一言語(母語)で生活ができ、同じ言語を共有する人とコミュニケーションが取れれば、第二言語(外国語)の習得は、特殊な環境以外では必要がない人が多いからです。

「必要がない」ことは学ばない、学んでも記憶に残らない、定着していかない、忘れていく という人間の習性から、習得が難しいのだと思われています。

 

海外(英語圏)で子育てをしていると「英語ができるようになっていいですね。」と言われますが、逆に母語=日本語が「必要がない」言語になってしまう可能性もあり、両言語の維持はかなりの努力を要します。

 

個々の能力の差というより「必要性の強さ」の差が第二言語(外国語)習得に関連しているのだということを、様々な論文を読んで再認識しました。

 

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