ここ数週間、日本語と英語の研究、とりわけ英語発達研究の大御所の先生方と意見交換をする機会がありました。日本国内で研究を続けている先生方と、私のように海外で研究をしている者の間では、かなり視点が異なり、とても有意義なひと時でした。

 

今、英語はWorld Englishesという表現にもあるように、「たった一つの正しい英語」というものは存在せず、いろいろな国でいろいろな人に話される英語がるという考えが一般的になってきています。「日本人が話す英語」もその一つで、日本語訛りがあっても、それは数あるEnglishesのバリエーションの1つと考えればいいのですが、日本人は「英語が通じない」時、自分の英語に問題があるのだ、と考えがちです。

 

書き言葉の英語が通じない場合には、文法の誤り、語彙の選択の誤りが考えられます。実際、英語母語話者同士でも「書き言葉」を添削し合うことはよくあります。同じことを何通りでも表現できるため、「間違いではないけど、こちらの方が自然な言い回し」だということや「このタイプの書類では、こう書いた方がいい」といった指摘は日常よくおこなわれるやりとりです。

 

話し言葉、つまり会話が通じない場合には、文法や語彙の誤りの他に「発音」「イントネーション」といった別の要素も関係してきます。特に「発音」が「悪い」というか「違う」場合、言わんとしていることが通じないということはよくあります。

 

では、日本人が英語を話す場合、間違いやすい、というか誤りやすい「英語の音」というのはあるのでしょうか。一般的に言われるLとRの違い BとVの違い ThやWhの発音などは、日本人にとっては難しいようです。

 

私の場合、それらの音の区別よりも、息の強さ(aspiration)に問題があって、通じないことがよくあります。具体的には[pa]の音と[ta]の音ですが、日本人である私が[タ]と[パ]を日本語として発音すると、ほぼ100%の日本人はその違いを聞き分けてくれますが、英語で[pa]や[ta]を発音すると[t][p]の音が弱すぎて通じないか聞き間違えられてしまうのです。母音でも[a]や[e]を聞き間違えられることがあります。

 

日本人特有の子音で終わらず、母音が語尾入ってしまうような場合は、「発音が悪い」と思われることはあっても通じないと言うことはあまりありません。例えば、bookの最後の[k]の音を[ku]と発音しても通じないと言うことはほとんどないのですが、[book]の[b]の有声音が弱く[hook]のように聞こえると、違う単語になってしまい、意味が通じなくなるわけです。

 

発話が通じるかどうかを測る指針としてcomprehensibility(わかりやすさ)というものがありますが「わかりやすい」ことと「発音」や「イントネーション」の正しさは一致していないようです。つまり発音が悪くてもイントネーションや抑揚がおかしくても「わかりやすい=わかってもらえる」発話というものがあるのですが、ではどうしたら「わかりやすい」話し方を習得できるのか....これは、やはり英語教育者、英語言語学研究者が、世界の英語(World Englishes)を様々な要因で分析して数値化していただきたいと思います。

 

ランキングに参加しています。

クリックしてくださるとうれしいです。

にほんブログ村 子育てブログ バイリンガル育児へ
にほんブログ村