バイリンガル言語習得や第二言語習得で、一般的によく言われるのが「言語を習い始めるのは早ければ早いほどいい」「ある程度の年齢になってしまうと、ネイティブスピーカーのように話せるようにはならない」と言うことです。
これは、今から50年前にレネ(ン)バーグと言う人が提唱した臨界期仮説に基づいた文献や研究結果を引用して、一般化していることが多いようです。
この「仮説」は、この50年間、多くの言語習得や脳科学の分野で研究されてきました。
その結果、「臨界期=その時期を過ぎると言語習得ができなくなる時期」は存在せず、言語の分野(音声の獲得、文法の習得、語彙の発達など)によっては、幼少期の方が習得しやすいものもあるが、ある年齢で習得が不可能になることはないという説が、研究者の間では一般化されています。
もちろん、どんな研究においても完全な一般化はできないのですが、「臨界期仮説」を裏付ける「子供の頃に人間と接することなく動物に育てられた人間がある程度以上の年齢に達してから言語を学んでも習得できなかった」という凡例は、その対象となった人の発達過程自体に問題があった可能性があり、その人は子供の頃から言語を習っても習得できなかった(言葉を発せなかった)可能性もあります。
また、第二言語習得において、よく引用される「移民の家族は親より子供の方が早く言語を習得する」という研究結果も、「言語の習得」そのものをどのように測っているかで結果が異なります。どんな研究論文にも「限界や今後の課題」がありますが、言語習得研究に関していうと被験者の数が少なかったり、言語能力そのもののテストの仕方に限界(問題点)があるものが多いです。それでも引用されるのは、「言語を習い始めるのは早ければ早いほどいい」ということを信じたい・または信じさせたい人が多く存在するからでしょう。
バイリンガル言語習得や外国語習得の専門家たちの大半は
母国語以外の言語の習得はいつからでも可能である。
という説を支持しています。ただし、言語学習を始める時期によって、学習・習得方法が異なります。また開始年齢によって、あるレベルに達するのにかかる時間も変わってきます。
言語習得にかかる時間と習得過程に起こる現象については、次回に書いてみます。
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